入院中の父親の新しい「要介護度」の通知が来て、びっくり!

夫のマシュウです。

先月来、父親の要介護の「区分変更の申請」をしていましたが、

この度、「区分変更の通知」が届きました。

今までは、「要介護1」でしたが、今回の見直しで、「要介護5」!!

えっ?? ビックリしました! 要介護度の区分で一番重い判定となったからです。

「要介護5」とは、父親の心身の状態がどの程度のことなのか、

介護保険制度を、ひもときながらみていきます。

介護保険制度誕生の背景と目的

高齢化や核家族化の進展等により、老後の最大不安要因である「介護」問題が、

身内の家族に頼ることが限界を迎えるなか、社会全体で支える新たな仕組みとして、

2000年(平成12年)4月から、社会保障制度のうちの「社会保険制度の一つ」

として創設されました。

介護保険は、介護や日常生活の支援が必要となった人が、尊厳を保持し、できる限り自立した日常生活を営むことができることを目的としています。

介護保険のしくみ

市町村を「保険者」として制度を運営し、保険者の区域内に住所を有する満40歳以上の人が被保険者として加入して保険料を支払います。

介護や支援が必要とされたときに、「費用の1割~2割を自己負担」して、心身の状態の程度に応じた「介護サービス」を受けるしくみとなっています。

介護サービスの利用の手順

①市町村の福祉担当部署に要介護の相談や申請をします。

介護や支援が必要になった場合の相談を受け付けてくれます。

②調査員が家庭や施設を訪問し、日常の動作などについて調査します。

訪問調査で「70項目以上の基本調査」により一次判定されます。

調査員の質問に、本人は普段と違って頑張って答えちゃうことがありますので、

この際、家族の方は日常から「行動メモ」を記録しておき「正確な情報」を調査員に伝えます。

③主治医の意見書を加味して、介護認定審査会で要介護度を認定

最終的に審査会で、要支援1,2、要介護1~5のどの段階に該当するかを認定します。

数字が大きいほど、介護の必要性が高いことを示します。

また、利用できるサービスも増えます。

④要介護度の認定通知

審査会で認定された要介護度区分が本人に通知されます。

⑤介護(予防)サービス計画(ケアプラン)作成

要支援1or2に認定された場合は、地域包括支援センターのケースワーカーが在宅での介護(予防)サービス計画(ケアプラン)を作成してくれるのが一般的です。

要介護に認定されて、在宅ではなく、介護施設に入ることを希望する場合は、入居施設と直接契約して、施設のケアマネージャーにケアプランを作ってもらうことになります。

⑥介護(予防)サービスの利用

要介護度によって、受けられるサービスの範囲や利用限度額と自己負担限度額が決まっています。

介護保険制度の利用者が増えるにしたがって、介護保険制度の維持が問題となり、2015年4月から特別養護老人ホームの入所は、「要介護3以上の人」に限定されました。

要介護区分の心身の状態例

原則として6カ月以上継続して、食事や入浴、排せつ等の日常生活の動作について、

状態の程度によって、以下の「7分類の基準」にあてはめ認定します。

要支援1

生活機能の一部に若干の低下が認められる状態。食事や排せつなどの日常生活の大部分は自分でできるが、一部の機能が低下しており、介護予防サービスを提供すれば改善が見込まれる。

要支援2

生活機能の一部に低下が認められる状態。日常生活の動作がやや低下し、歩行、入浴などに介護予防サービスを提供すれば改善が見込まれる。

要介護1

部分的な介護を要する状態。立ち上がりや歩行が不安定。

入浴、排せつ、薬の服用、金銭管理など一部について介助が必要。

要介護2

軽度の介護を必要とする状態。立ち上がりや歩行などに支えが必要。

入浴、排せつ、食事、衣服の着脱など身の回りの世話全般で、見守りや何らかの介助が必要。

要介護3

中程度の介護を要する状態。立ち上がりや歩行などが自分一人ではできないことがある。

身の回りの世話や排せつ、衣服の着脱など一人ではできないことがあるため、

全体の介助が必要。

要介護4

重度の介護を要する状態。立ち上がりや歩行が自分一人ではできない。

身の回りの世話や排せつがほとんどできないなど、日常生活の全面的な介助が必要。

要介護5

最重度の介護を要する状態。意思の伝達が困難。食事や排せつがほとんどできないなど、

生活全般について全面的な介助が必要。

要支援2と要介護1のボーダーラインは?

・日常生活に支障をきたす「認知症」があるか、どうか?

・病気やケガで、心身の状態が不安定か、どうか?

などの判断で認定されるようです。

この「要介護1」であれば、介護施設のお世話になることも可能ですが、「要支援2」は在宅ケアが基本なので、ここの線引きで見解の違いからトラブルが起こりがちになります。

父親の要介護度の変遷

父には、元気で生活できるうちは、支援や介護を受けるという発想はなかったようです。

要支援1

きっかけは、自動車運転免許の返上時期にあります。

自動車を手放してからは、好きなドライブにも出かけられず、家にこもりきりで、TVを見て過ごす時間が増え、みるみる足腰が衰え・・・

手押し車のお世話になるとき、「要支援1」の認定を受け、手押し車のレンタル補助を受けることができました。

その後、玄関の蹴上に手すりを付け・・・と徐々にお世話になることが増えていきました。

それでも、足腰が弱っちゃいけないと自覚していて、手押し車で町内を歩いていたんです。

母親が入院して、一人暮らしが始まったときも、自力生活ができるということで、最低限のホームヘルプサービスを受けていました。

要介護1

母親の入院をきっかけに、徐々に動作が鈍くなり、家の中で転倒することが増えていきました。その矢先、ついに玄関先で転倒し胸を強打、立ち上がれなくなり病院へ急行。そのまま入院という事態となりました。

その際、介護認定の見直しを申請して、「要介護1」の認定を受けました。

胸の強打も完治し、病院での治療がなくなったことで、本来は退院ですが家に戻ることは私たちにとってもとても不安なことです。ですが「要介護1」になったことで、家に帰らずとも民間の介護施設を利用できる道が開けました。

要介護5

そして今回、民間の介護施設で急性心不全で倒れ、緊急入院となったのを機に、歩行や排せつに支障をきたすようになり、より介護度が重くなったのではないかということで、介護認定の見直しを申請することになりました。

その結果が、今回の通知でした。

一気に、「要介護5」の認定でした。

要介護度が、最重度の認定となったことで、特別養護老人ホームへの入所基準を十分(?)満たすことになり、優先的に入所を待つことになります。

それにしても、去年の今頃は、両親ともに元気で、足腰がイタイイタイと言いながら、

不自由ながらも家の中を切り盛りしていたんです。

それまでは、ホームヘルプサービスを利用など、縁がなく暮らしていたのに、

この目まぐるしい変化はなんだ!?

下りの止まらないエスカレーターに乗っているような、もう引き返せない状況になっちゃったんです。

今回の要介護度の認定で、終の棲家(?)に入れる基準を満たし、安心するやら、

それほど心身の状態が悪いのか、ということを告知されたような・・・

身内として、子供として、親のことを思い、早め早めの手を打つことの大事さはわかるのですが、なんとも複雑な心境で、新しい保険証を見つめました。

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