夫のマシュウです。
先日、グループホームにいる妻アンの父親の様子を伺いに行ってきました。
退院後の様子
緊急入院騒動?以来、以前のように、手押し車を押して歩いていた頃の面影はなくなりました。
すい臓にも腫瘍が見つかって、なすすべもなく見守るしかない父親に
「最後の親孝行」だという思いで、毎日のように妻は面会に通っています。
今回は、私も一緒に伺い、昔話に花が咲きました。
その時、妻が施設の職員さんに呼び出され、何やら奥の部屋で込み入った話をしているようです💦
妻が聞いた帰宅願望の話
妻が戻り、父親に求められるままに、好物のチョコレートを半欠け渡します。
父親の「うまいっちゃ、うまいっちゃ」と言いながら、口を動かす
くしゃくしゃの表情を妻はいとおしく眺めています。
父親も疲れが出てきて、ソファにうずくまりましたので、
また来ることを告げて帰途に着きました。
帰りの道すがら、妻が先ほどの施設の職員さんとの話の内容をしゃべり始めました。
妻「お父さんと会っている時、別のテーブルに座っている一人のご婦人が
じーっと、私たちのやり取りを見ていたのに気づいていた?」
私「ああ、わかっていたけど、別に気にも留めなかったなー」
妻「実は、そのご婦人が、数日前から家に帰りたいと言い出し、職員さんを困らせているんだって」
理由を聞くと、
ここ最近、毎日のように妻アンが父親の様子を見に来ているのを、そのご婦人が見ていて、
「自分のところには息子や嫁が一度も来ない」と言いだし、
「家に帰りたい」と訴えるようになったらしいのです。
そのご婦人がどうして帰りたいと言い始めたのか??
職員さんたちがミーティングで話し合いをして「きっかけ」を探ったところ、
どうも、妻が頻繁に父親を訪ねるのを見ていて、「家族がいつも面会に来てうらやましい」という「帰宅願望を刺激」したようだというのです。
そして、これから妻が訪ねる日は、父親を自室に誘導するので、
自室で会ってほしいと言われたとのこと・・・
父親の帰宅願望
私たちにも思い当たることがあります。
妻の父親も帰宅願望がかなり強くて迷惑を掛けた一人でした。
父親の入所当初は、妻も父親が近くに来たということで、頻繁に会うようにして
元気づけようとした時期がありました。これで親孝行ができると思ったものでした。
しかし、間もなく、父親が発したのは「お前にだまされた。家に帰りたい!」という言葉!
まだ体力もありましたので、荷物をまとめて施設を出て行こうとするなど
職員さんを巻き込んでの「大騒動」になったのでした💦
しかも、実際に何度か実家に帰るということを繰り返し、今の父親の姿があるのです。
そんなこんながあったので、ご家族や施設の職員の方のご苦労はよく理解できます。
ご婦人は、ホールで会っている妻と父親の会話を聞いていて
「帰宅願望のスイッチ」が入ったのかもしれません💦
入所者さんへの刺激
妻が父親に会うためにホームを訪ねた時には
他の入所者さんとも「こんにちは」や「お元気そうで何よりです」など
ほんの短い会話をするようにしていました。
皆さん、いつも「テーブルにポツンと無表情で座っている」ものですから、
話しかけて少しでも元気づけようとしていました。
「ほんの少しでも会話すると、表情が生き生きとしてくる」のがわかるからでした。
でも、一方で、話しかけることで、その方の帰宅願望を呼び覚ましてしまうことってあったんでしょうか?
これが、施設の職員さんが話しかける場合だと、帰宅願望を刺激しないのかもしれません。
施設に親を預けるご家族にとっては、頻繁に会いに行ってるうちに、やはり帰宅願望を告げられたり不満をこぼされるので、次第に面会に行く足が遠のいたという方の話も聞いていました。
以前の妻と同じケースです。
このように、入所者さんの気持ちを刺激するような「家族の面会」を、施設の職員さんにとっては歓迎できないような?良しとしていないような感じ?も察せられるのですが・・・(-_-;)
今後の対応
妻にとっては、父親との残された時間は長くはありません。
面会自粛は本末転倒なことなので、これからも、今まで同様会いに行くことにします。
ですが、会う時にひと工夫します。
妻や私が父親を訪ねた時は、父親を自室に連れて行って、そこで時間を過ごすことにして、
極力、他の入所者さんの目に触れないようにして様子を見るということにしました。
今回、改めて、義父を含め、認知症の方への「接し方の難しさ」を知ったところです(-_-;)