夫のマシュウです。
特売日のスーパーは、開店前から多くの待ち列ができています。
前後の人との距離を開けて並ぶことを呼びかけるアナウンスもなく、
それぞれのモラル任せ・・・
そんな混雑する日に私が買い物をしてレジに並ぶと、
床には「足跡」マークのシールが一定間隔を開けて貼られています。
レジを待つ客は、意味を深く考えることもなく?「足跡」マークに立ち、
自然に「ソーシャルディスタンス」ができています(^^)/
ナッジ理論?
最近、このような光景は当たり前のように目にしますよね。
別にこうしなさい!と強制されたわけでもないのに、
「足跡」マークのところに並んで待ちますが、
このような行動をとらせることを
「ナッジ(nudge)理論」だというのを最近になって知りました。
「ナッジ」とは「肘でつつくとか背中をちょっと押す」という意味だそうで、
「強制しないで知らず知らずのうちに最適な選択をするようそっと後押しする」ことだそうです。
人には、
「得をしたい思いよりも、損をしたくない思いの方が強い」
「将来のことより現在の問題を過大視する」
「社会規範には従いやすい」という「クセ」があるようで、
この「クセ」をうまく使って、誘導することだといいますから
「心理学の側面」も持っています。うーん!なるほど!(笑)
すでに実践?
実は今までも身近なところで、うまく心理を突かれて動かされていたようなのです。
よく知られているのは、
公衆トイレなどで男子小便器の前に立ったとき、汚さないように「一歩前へ!」とか
「きれいに使ってくれてありがとう」などのメッセージが書かれていることがありますが、
と、ある公衆トイレの男性小便器の中にハエの絵を描いたところ、
小便がはみ出さずに汚れも少なかった・・・
これは「人は的があるとそこを狙う」心理を利用することで
便器からはみ出さずに衛生的に使うようになったという、
「ナッジ理論」の実践例として有名な話だそうです(^^)/
もうひとつ、思い浮かぶのは、地下鉄のホームから改札階に上がる階段!
ひとステップごとに「消費カロリーは〇キロカロリー」というシールが貼られています。
ちょっと、体重が気になるときなど、
エスカレーターに乗らずに階段を歩こうという気にさせますよね(笑)
これはエスカレーターの混雑緩和のために、
利用者に「健康管理を意識」させ、階段利用を促す誘導に他なりません。
コロナ禍でも知恵を!
コロナ禍の今、「3密」を避けることが求められていますが、
これを実現するのに「自粛警察」が嫌がらせをするとか、罰則を科すとか、
強制的に規制しても殺伐とした気持ちになるだけですね。
反対に、さきの「足跡」マークでソーシャルディスタンスをとるような、
個人に選択させることで、あるいは自分の行動が「社会のため、人のためにいいことした」と
思わせるやり方を考える方がよほど効果があります。
例えばの話ですが、
ドアノブや吊革などにウイルスが付着して感染の危険性が高いのであれば、
そういったところだけ「汚い色」に塗っておいて、
そこを触ると、帰宅したらすぐに手を洗いたくなる気持ちにさせる
とか、
コロナ対策をしっかりやっているお店には「マル適マーク」を交付して、
利用客がスマホでも確認できるようにすると、誘客のためにお店も競って
「マル適マーク」取得に動くんじゃないか
とか、
人を動かすのにいろいろ「知恵」を出すことがあるんじゃないかと思います。
ただ「ナッジ理論」の怖いところは、政治的な操作に使われることでしょう。
知らないうちに意思決定を誘導されることだけは避けたいものです(^_^;)
我が家のナッジ?
ここまできて、実は我が家でも「ナッジ理論」が実践されていたことに気がつきます。
いくら夫婦とはいえ、
妻から「ごみを捨ててきて!!」などと命令口調で言われるといい気がしないものです⤵
ですが、妻アンは「これ、やってくれたらうれしいなー」と優しい口調で言うもんですから、
「じゃあ、やってやるよ!」と自分が優しい奴になってしまい(笑)、
ついには「他にやることはないかい?」と口走っている自分がいます(笑)
そしていつの間にか、
自ら進んでやっているという・・・当たり前の仕事に加わっているんです。
アハハ!これって「ナッジ」ですよね!(笑)
完全に妻に誘導されてますもん!(笑)
ちなみに、先のトイレの例ですが、我が家の場合は、
洋式便座で立って用を足していたのが、座って用を足すようになったのは、
妻アンの「トイレをきれいに使うには・・・」と言われたことがきっかけだったような?
これも「ナッジ」だったんですね(笑)
あちゃー!
いつの間にか、妻は理論??を実践していたんですね!?(笑)