札響名曲シリーズ「フロンティアの彼方」を聴いてきました。

夫のマシュウです。

北海道も、先週の台風24号の通過や、先日の台風25号くずれの低気圧が通過したあと、

秋の気配が一気にすすみ、紅葉も色合いが一段と濃くなってきました。

そんな10月13日に、札響のコンサートを聴きに音楽ホール「キタラ」に出かけました。

「キタラ」のある中島公園も、紅葉がすすみ、散策も気持ちの良い季節!

あいにく今日は私ひとりで、公園の景色を見ながら、「キタラ」に向かいます。

菖蒲池の周りには、土曜画家?が陣取ってキャンバスを広げて創作にいそしんでいました

実は、前回の札響名曲シリーズは、9月8日に指揮者にチェリストの鈴木秀美さんを迎えて、「セプテンバーinロンドン」というテーマで行われる予定でした。

ですが、折からの北海道地震の影響であいにくの中止。

初めてお聴きする指揮者ということで楽しみにしていましたが、

事情が事情ですので仕方のないことです。

幻の演奏会となってしまいました。

それで、今回は、前回聴き逃した分も楽しもうと意気込んで出かけました。

キタラ前庭に設置された安田侃作「相響」越しの中島公園

キタラの中庭のテラスでくつろぐ開演前のひととき

「フロンティアの彼方」

今回は、指揮者に重鎮の秋山和慶さん、ギター独奏に村治奏一さんを迎え、

「フロンティアの彼方」をテーマに4曲が演奏されました。

「フロンティアの彼方」というのは、紹介される作曲家たちはいずれもヨーロッパなどでの迫害を逃れて、新天地アメリカに逃れたユダヤ系の出自をもつことが共通しています。

様々な人種を受け入れ、新しい文化や歴史を生み出す活力にあふれたフロンティア

「アメリカ」に、希望や可能性を求めた作曲家たちの代表作を特集しています。

バーンスタイン/「ウエストサイド・ストーリー」からシンフォニック・ダンス

バーンスタインは世界的な指揮者として有名な方ですが、作曲家としても数々の名曲を送り届けてくれました。札幌で毎年夏に開催する「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」を創設したことでもわかるように、教育にも尽力した方ですね。

私の中でバーンスタインの一番の傑作だと思う「ウエストサイド・ストーリー」はミュージカル映画でもいまだに輝きを放つ曲です。「シンフォニック・ダンス」は、その中のダンスナンバー9つのエピソードからなる組曲で、とてもリズミカルで、金管とパーカッションが大活躍して大好きです。

聴きながら映画のシーンを思い出してしまいます。「プロローグ」の緊張感ときたら映画のように「指パッチン」したくなります。「マンボ」では楽員の「マンボ!」の掛け声は楽しいです。

札響はとても生真面目な演奏で、もう少し楽しんでスイングしてほしかったのですが、

色彩豊かな演奏で楽しませてくれました。

テデスコ/ギター協奏曲第1番

テデスコは、第二次世界大戦前にイタリアからファシズムを逃れてアメリカに渡った作曲家です。

イタリアにいるときから、ギター音楽作曲家としての名声を高めていました。

今回演奏された「ギター協奏曲第1番」は、あのギタリストの大家アンドレス・セゴビアをリスペクトして作曲したといわれています。

この曲を演奏会で聴くのは初めてでした。美しい旋律と村治奏一さんのギターテクニックにうっとりと聴きほれてしまいました。

アンコールは、タレガの「アルハンブラの思い出」・・優しく心にしみる演奏でした。

コープランド/エル・サロン・メヒコ

コープランドは、アメリカを代表する作曲家の一人で、アメリカ的な音楽を形成したことで評価されています。今回演奏された「エル・サロン・メヒコ」は彼の出世作といわれています。

いかにもメキシコを想起させるメロディもあり、初めて生で聴く演奏は各パートの動きがよくわかって、やっぱり「生」はいいなぁ!

ガーシュウィン(ベネット編)/交響的絵画「ポーギーとベス」

アメリカの作曲家といえば、まずこの人を思い浮かべますね。

そのガーシュウィン作曲でベネット編曲の交響的絵画「ポーギーとベス」が最後に演奏されました。

この曲のベースは、ガーシュウィンのオペラ「ポーギーとベス」で、指揮者のフリッツ・ライナーの委嘱により、ロバート・ラッセル・ベネットがその旋律をもとに管弦楽曲仕立てに編曲したものです。

有名な「サマータイム」がバイオリンの弱音で奏でられると心にしみてきて、なんだかしんみりした気持ちになってしまいます。他にも、いかにもガーシュウィンを想起させるジャズっぽい軽妙なメロディがいいです。札響の演奏も軽快でメリハリの利いた演奏が印象的でした。

ごく個人的な思い出

私の遠い昔の思い出があります。

中学校に入学してブラスバンド部に入った時、初めて母親に買ってもらったクラシックのLPレコードがバーンスタイン指揮のニューヨークフィル演奏で、A面にドヴォルジャーク作曲の「交響曲第9番『新世界から』」で、B面にガーシュウィン作曲の「ラプソディ・イン・ブルー」。

特に「ラプソディ・イン・ブルー」のジャズっぽい?ピアノの響きを初めて聴いた時の衝撃はいまだに頭の中でよみがえります。

中学生の時に出会ったバーンスタインとガーシュウィン。

半世紀の時を経て、この二人の名曲を今ここで聴ける機会に感謝です!

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