札幌交響楽団の第613回定期演奏会を聴いてきました。

夫のマシュウです。

去る10月27日に開催された、札幌交響楽団の定期演奏会を聴きに

中島公園内にある札幌コンサートホール「キタラ」に行ってきました。

今日の中島公園

コンサートが開催される週末の天候は、なかなか好天に恵まれず、

今日も午前中は豪雨でコンサートに行けるのか心配になるほどでした(>_<)

お昼になると、一転、雨はあがり、青空も顔を見せる天気となり、中島公園の景色も、

太陽の光を浴び紅葉もきれいに光を反射して絶好の撮影チャンス!

観光客やコンサートに向かう人がシャッターを切っていました。

この雨の冷え込みで、秋が終わり冬の気配が感じられるようで、

落ち葉が一面を覆っていました。

キタラへの地下鉄出口3番付近の紅葉

菖蒲池の周りも落ち葉でおおわれています

中島公園内の日本庭園の松の木も雪つりされていました

雨上がりの中、キタラに向かいます

今回のテーマは

今回の指揮者は、小泉和裕さんです。札響の定期演奏会では過去12回も振っているとてもなじみ深い方です。そして、ソリストにヴァイオリンのクララ・ジュミ・カンさんを迎え協奏曲を演奏していただきました。

クララ・ジュミ・カンさんは、2010年に仙台国際音楽コンクールで優勝され、ドイツ・ミュンヘンを拠点に世界的に活躍されているヴァイオリニストで、日本での演奏活動も多いとのことですが、私は初めてお聴きする方でした。

今回、小泉さんが札響と組むのにふさわしいプログラムは何かということで、自ら選んだ曲とソリストによるテーマは「『英雄』へとつづく道」でした。

『英雄』といえば、「エロイカ」ですね。

このテーマで選ばれた曲目は、最初にモーツァルトの「魔笛」序曲で幕を開け、次いでブルッフの「バイオリン協奏曲」、最後にお待ちかねベートーヴェンの名曲「エロイカ」が演奏されました。まさに英雄へと続く王道のプログラム。

それもそのはず、札響の演奏回数は「魔笛」序曲が67回、「ヴァイオリン協奏曲第1番」が54回、「エロイカ」が実に88回ということで、まさに十八番のプログラム、こちらも王道ですね。

モーツァルト/「魔笛」序曲

このオペラ「魔笛」は、モーツァルトが死の床に就く直前に完成された、最後のオペラでした。

モーツァルトの最高傑作ともいわれるオペラで、その序曲もまた演奏される機会の多い有名な曲です。

優雅で軽快なリズムが心地よいです。スケールが大きくて、いかにもオペラの開幕にふさわしい、わくわく感に浸ることができます。

ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番

今回紹介された作曲家の中では一番若く、ベートーヴェンが亡くなってしばらくして生まれた、ドイツロマン派の作曲家です。この時代のドイツ音楽界を二分していたといわれる「ワーグナー派」に対抗して「ブラームス派」としてブラームスを尊敬していたということです。

ヴァイオリン協奏曲第1番は彼の代表的な曲で、クラシック番組などでもよく耳にするなど、演奏される回数が多い名曲です。

2017年開催のPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)でも、ワレリー・ゲルギエフの指揮、ダニエル・ロザコヴィチのヴァイオリン独奏でこの曲が演奏されています。

一般的なヴァイオリン協奏曲では第1楽章がとても長くて、第2、第3楽章を合わせた長さがあるのですが、この曲は第1楽章が短く、第2楽章に力が置かれているようです。

いわゆる超絶技巧はないものの、いかに歌うかが聞かせどころの曲で、1楽章から3楽章まで通しで演奏されます。

とてもヴァイオリンの音色がきれいに表現されていて、ヴァイオリンの特徴が伝わる曲です。独奏のクララ・ジュミ・カンさんの演奏も華麗で繊細な弓使いが印象的でした。

ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」

この曲は、ベートヴェンがフランス革命の英雄ナポレオンを称え、献呈しようと「ボナパルト」と命名しようとしたのですが、ナポレオンが皇帝に即位したということを聞き、「彼もただの俗人だったか」といって、表紙に書かれていた「ボナパルト」を消して「エロイカ」に書き直したという逸話が有名ですね。

第2楽章の葬送行進曲を聴くと、ベートーヴェンがどのような感情を抱いて、このように表現したのかに思いを馳せて聴き入ってしまいました。

ベートーヴェンはそれまでのハイドンやモーツァルトに代表される交響曲の常識を打ち破る実験をしてきていますが、ベートーヴェンにとって最初の実験がこの第3番じゃないかと思うくらい、それまでの交響曲の印象を変えてしまいました。これ以降、ベートーヴェンの交響曲にはそれぞれ新しい試みがなされていて、その精神はブラームスやマーラーなどの交響曲に影響を与えたようです。

コンサートの印象

指揮者の小泉さんとの息がぴったりで、札響ものびのび演奏しているのがよく伝わりました。

特にベートーヴェンの「英雄(エロイカ)」は誰もが良く知る名曲で、耳が他の演奏家と比較してしまうのですが、小泉さんの「英雄」も4つの楽章の構成がしっかり組み立てられていて、感情の起伏と重厚さを感じさせる演奏で感動しました。

心に響く演奏を聴けて、とても充実した気持ちで、夕闇の迫ったキタラを後にしました♪

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする