創立60周年のメモリアルコンサートを聴いてきました!

夫のマシュウです。

マンションへの引っ越しのドタバタもひと段落し、ようやく日常を取り戻しつつあります。

そんな日常から離れた「非日常」を楽しむ・・・

私のほとんど「唯一の趣味」といっていいのが「クラシックコンサート」を聴くこと。

オーケストラの定期演奏会を楽しみに待つ身にとっては夏休み期間も終わり、

いよいよ芸術の秋到来といった趣です。

今年は「札幌交響楽団の創立60周年」の節目の年。

1961年7月1日に「札幌市民交響楽団」として発足し、

第1回の定期演奏会が同年9月6日に開催されたということなので、

今回の第640回目の定期演奏会を「60周年記念演奏会」として迎えることになりました。

札幌コンサートホール・キタラを会場としての定期演奏会は、

昨年の11月~今年6月まで耐震工事や設備更新工事のため休館していました。

新年度の定期演奏会も、これまでは札幌芸術文化劇場「hitaru」を会場として開催されていましたが、

記念演奏会を機に晴れてキタラに帰ってきました。

入場口では『札響創立60周年記念オリジナルグッズ』が入ったコットンバッグなどが配られました。

私も年間を通して座れる「マイシート」を新しい場所に変更して気持ちも一新!

視力も衰えてきましたので、少し前の座席に替えていただきました。

今回の記念の演奏会を指揮するのが、首席指揮者の「マティアス・バーメルト」さん。

新型コロナ下での入国制限の影響でスイスから来日できず、指揮を断念されてきました。

当初の記念プログラムは、

バーメルトさんの選曲でブラームスの「ドイツ・レクイエム」という合唱付きの大曲でしたが、

新型コロナの感染防止対策で合唱の練習ができなくなったため、プログラムを変更。

シューベルトの交響曲「未完成」と、

ブルックナーの「交響曲第7番」の2曲が演奏されることになりました。

今年度の定期演奏会の選曲に際してバーメルトさんが導入した年間テーマは「愛と死」

このテーマに基づく今回の選曲理由は、

シューベルトの交響曲「未完成」は、よく知られた名曲です。

バーメルトさんに言わせると『天から照らす光』を感じるといいます。

ブルックナーの交響曲第7番は、バーメルトさんによると「交響曲の不朽の名作」

ブルックナーが心酔するワーグナーへの追悼も込められた曲だそうです。

バーメルトさんは、ブルックナーの交響曲は『未来の望みの光』を感じさせるといいます。

いわく「愛と死」の先にある「光」をテーマに据えたようです。

札幌はいまだ緊急事態宣言下でもあり、

コンサート開催基準の収容人数上限5,000人以下、かつ収容率50%以下を満たすため、新たなチケットの販売中止。

なんとも異様な環境下での記念演奏会という芸術鑑賞になりましたが、

私にとってもコロナ禍の先に「光」を見出したい・・・との思いで聴き入りました(^^)/

シューベルトの「未完成」は、まさに「未完の完」?ともいえる作品

作品としては未完成でも、これだけでも聴いているものにとっては完成している作品で、

未完成であるがゆえに完成だとどうなる?という期待を持たせる意味でも

自分のこれまでの人生を振り返る意味でも、私にとっては「天から照らされる(救いの)光」のような深く考えさせられる曲です。

演奏後も、指揮棒をしばらく構えたままのバーメルトさんとともに会場が静寂に包まれて、

この曲の持つ未完の余韻に浸ることができました。

ブルックナーの第7番は、演奏時間約65分の大作。

弦楽パートが奏でる神秘的な旋律ではじまり、ブルックナー独特の世界観を示しながら、

フィナーレはオーケストラの全パートの会場を揺るがすように鳴り響く、

天上を超えて遥か宇宙からの強い光を浴びたようなスケールの大きな音楽を啓示して、

力強く終わります。

ここでも演奏後、バーメルトさんの動きがとまり、

余韻も演奏の一部のようにしばし静寂のときが流れ聴衆が息をのんで見守ります。

やがて指揮棒が下ろされ、待ちかねたように「感動の拍手」に包まれました。

去年の2月以来となるバーメルトさんの感情のこもった指揮ぶりに、

会場もこのときを待ち焦がれていた雰囲気に満ちあふれていたのが印象的でした。

演奏会終了後のホワイエ(ホール)では、北海道新聞社の号外も配布されました。

いろんな制約のなかでの演奏会でしたが、

早くコロナ禍が収束して、心置きなく芸術を堪能できるときを迎えたいものです・・・♬

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コメント

  1. ジェリー より:

    こんにちは ジェリーです。
    本来ならば「芸術の秋」本番の素晴らしい季節の到来なんですけど..コロナ禍は収まりきらず..世の中はまだまだ何か モヤモヤしてますね~!?

    でも観客数の制限など制約はありますが コンサートや展覧会も少しずつ開催される様になってきました。 マシューさん お好きなクラシックを札響の生演奏で堪能できて良かったですね!!

    思えばジェリーも..コロナ禍前に「正倉院展」(上野国立博物館)に行って以来 どこにも行ってない。楽しみにしていた「上村松園展」はコロナで中止になってしまったし..ホント残念! ぜひ復活開催してくれると嬉しいです。

    夫婦ともにワクチン打ちましたし 長きに亘りずっと自粛してましたから この秋からはそろそろ活動を再開したいものですよー!!!

    • ともに白髪の生えるまで より:

      ジェリーさん、コメントありがとうございます。マシュウです。
      今年こそは芸術の秋を楽しみたいものですねー。
      私が子供の頃集めていた記念切手のなかに「序の舞」があって、
      その作者が上村松園だったということをずーっと後で知った次第です(^^;)
      先日、テレビの番組でも偶然見たような気がします。
      こんにちは。ジェリーさん♪
      コロナ禍で楽しみが激減してしまいましたよね。
      わが家も定年後に計画していた海外旅行がすっかり頓挫。
      残念ですが仕方ありません・・・
      その分、国内旅行と思うのですが、
      なかなか足が向きませんし・・・
      もう何だかなぁ~~の心境のアンでございますよ(;´д`)トホホ
      早く活動開始したいですね。
      実は私、まだワクチン受けてないんです。
      この夏、ずっと咳に悩まされていたので
      まずは完治するまで控えようと思っていました。
      このところ、新生活にも慣れてきたのでしょうか。
      咳もほぼ収まり引っ越し疲れも解消した感じがするので
      そろそろマシュウにワクチン予約をお願いしようかなと・・・(^^)/
      ジェリーさん
      私、今ね、エッセイストの麻生圭子さん著「京都早起き案内」を読んでいるんです。
      おかげで気持ちが京都に飛んでしまって、腰が浮いた状態なんですよ(笑)
      あぁ、早くワクチン受けなくちゃネ!(*^-^*)

      • ジェリー より:

        そうなんです「序の舞」は 松園さんの代表作のひとつですね。
        覚えていてくださって ありがとうございます。

        40代のある日 紀伊国屋書店で何気なく手にした松園さんの画集…
         びぃ美っ~と来ましたよ!! その時から好きになったんです。
        もちろん画集買いました。でもまだ本物は3作品しか見ていません。
        いつか奈良の松園美術館か「松園展」には行きたいです!

        京都「愛」まっくすのアンさ~ん、もうすぐ行ける様になりますよーー
        おいでやす~♪ おいでやす~♪..してきっとアンさんのこと”お京はん”
        待っトリまっせ~!!

        麻生圭子さんの京都シリーズは 面白くてジェリーも読みました。
        関東育ちの麻生さんならではの視点が 新鮮で分かり易く思えましたよ。
        ジェリーも久しぶりに洛中ぶらぶら路地歩きに 行きたくなりました~

        • ともに白髪の生えるまで より:

          ジェリーさん、コメントありがとうございます。マシュウです。
          いつの日か「松園展」行ってみたいものですね。
          そして京都旅行も、宣言解除が待ち遠しいです。
          その前にアンのワクチン接種をしなければなりませんが・・・(^^;)
          ジェリーさん、こんにちは。
          札幌はすっかり秋の空気に包まれました。
          私にとっては食欲の秋です(笑)
          芸術鑑賞もトンとご無沙汰でフラストレーション溜まってますが
          旅行本を読んだりして「行った気分」になっているアンです(*^-^*)
          ジェリーさんにとって京都は思い出深い街ですね。
          私も大好き!
          何度も足を運びたくなる古都です。