夫のマシュウです。
離れて住む両親のこれからのことは、普段から考えて置かなければならないのですが、
まだまだ、元気だということにかまけて、先送りにしてきました。
親の生活は親自身の生活であり、どこか他人事のように見ていました。
ところが、ある日突然、両親二人ともに、入院するという事態に直面して、
いよいよ、「そのとき」について、子供として対応を考えなければならなくなりました。
私たち夫婦が、実際にどう動いたかをまとめます。
「両親が元気なうちにしておくこと」
両親の老化が進むことへの一抹の不安は持ちつつも、いつまでも元気でいてほしい気持ちで見守ってきたつもりでした。
そのような両親をもっと身近で見守る人たちがいました。
☆地域包括支援センターへの相談
実家への帰省の時に、たまたま地域包括支援センターのコーディネーターの方が訪問してきて、私たち夫婦を含めた相談のチャンネルができました。
足腰の弱くなった両親の介護サービスを受けるための手続きをしていただく機会を通して、
定期的に訪問していただき、健康状態を確認してもらうことはとても大事なことです。
特に、離れて住んでいる親のことを見守っていただいているという安心があります。
介護サービスを受ける第一歩となるこのようなチャンネルが、これから両親の身の上に何事かあった時の相談相手として頼もしい存在なんですね。
私にも、先日「介護保険被保険者証」が届きましたので、どういう手続きが必要か身近に考えることができました。
☆隣近所へのお願い
日頃、両親とお付き合いのある、隣近所のお宅に、私たちが帰省した際、欠かさずに伺い、
両親の「近況を確認」するとともに、日頃の「お礼」をしておきます。
そうすることで、さりげなく見守りをしていただけるようになるのです。
両親の場合は、隣家の方に、冬は家の前の雪かきまでしていただいていると喜んでいました。
隣近所には、緊急の連絡先となる私の家の「電話番号をお知らせしておく」ことも大事なことです。
☆介護施設への入所申し込み
母親が入院したときに、今後長期療養型になる場合、病院での治療行為が無くなるため、
介護施設への入所を考えてほしい旨、看護師から言われました。
ところが、介護施設はいつでも入れるわけではなく、入所希望者が多く空き待ちとなるのが現実です。その間、どこにいるのかが問題ですが、通常は家庭で待つのではないでしょうか?
両親の場合は、病気療養で入院しているときに、介護レベル認定の見直しをしていただき、
病院からの入所待ちとなりました。
地域包括支援センタースタッフと病院スタッフを交え、今後、介護施設に空きが出た場合にお世話になれるよう、申請手続きを進めることにしました。
私が介護施設へ赴いて、両親の状況を説明して、入所申請の手続きをしましたが、こういう施設は、先着順であったり、介護度の重い順番であったりしますので、「早めの手続き」が
大事だと思いました。
離れて住む親に、もしものことが起こる前に、このようなつながりを作っておくことが、
イザという時に、すぐには駆け付けられない身内としての、最低限しておかなければならないことじゃないかと思います。
☆預貯金口座の整理
預貯金関係の整理・統合は入院前から両親に話していたことですが、手続きをしないままに入院する事態となってしまいました。
病院等の支払いに掛かる費用は、両親の預貯金通帳からとすることを、父親から承諾を得ました。
私は、まずは複数ある通帳や、定期性の預貯金は解約手続きを取り、すぐ「現金化」できるよう整理・統合しました。
その際、何より助かったのは親が「通帳と印鑑をセットにして管理」してくれていたことです。
よく、印鑑がその通帳のものか、金融機関で印影を見てもらったとき違ってたりする場合があるからです。印鑑をなくした場合の手続きも面倒なことですから・・・
通帳の管理を任された私の妻アンは、出納帳という見出しをつけた「ノート」を作り、
支出などを定期的に父親に確認してもらうようにしています。
まさに「明朗会計」です。
このように、入院や介護施設に掛かる費用はどこから捻出するかという問題に頭を悩ませないよう、「親の預貯金の確認」と「支払いに困らないような手続き」をしておくことが重要です。
☆家の片付け
断捨離の必要性は、帰省時の会話の節々から両親も理解していたと思われますが、
実際には片付いていませんでした。
両親の入院に際し、当面、空き家になることから「食料など傷むもの」から優先して片付けることとしました。
次に家の維持管理に係る部分として、キッチン、浴槽、洗面所、トイレなど
「水回りの清掃」を徹底して行いました。
次に家の維持管理に影響のない「契約関係の整理」をしました。
具体的には、新聞契約、ガス契約、NHK契約、健康食品の定期購買の契約などの解約手続きをしました。
いわゆるIT遺産に該当するような契約はしていないので、パスワードが絡むような解約はないことが救いでした。
家の維持管理に関しては、「できるだけ身軽にしておくこと」「いらない支出をしない」ようにすることが大事だと思います。
☆地元の交番へのお願い
両親の入院により、長期間空き家になることから、地元の交番に出向き、不在になる旨の説明と「巡回のお願い」をしておきました。
「そのとき」への備え
親のその日に備えて、いろんなケースを想定して、予め手を打てるところは今から準備を進めておくこととしました。
☆葬儀のこと
親の葬儀については、町内会の会館やお寺を使い、町内会の人の手伝いを必要とする地元の葬儀社にお願いするよりも、式の全てを仕切ってくれて、ビジネスライクに割り切れる葬祭チェーンにお願いした方が気が楽なことから、予め、その日に備えて「互助会の契約」をしておきました。
あとは何かあった場合の連絡だけです。
☆お墓のこと
現実的に、遠く離れている田舎のお墓を守ることは、物理的に負担が大きいことを踏まえ、
お墓は持たないということを考えています。
親は納得してくれるかどうか分かりませんが、「残された者に負担がかからないように」するのが、親心じゃないかと思っていますので、理解してくれると思います。
☆家の始末
築40年にもなる実家の処分をどうするか?最後の大きな問題であります。
まずは、残された家財道具の扱いをどうするか?
次に、家屋そのものの処分です。解体撤去か、原姿売却か?
土地はどう処分するか?
相続人の間で結論を出さなければならない問題です。
最後は産廃になるとしても、家の処分にもお金のかかる問題です。
できれば「親の資金の範囲内で対応」したいと考えています。
これらについては、両親が元気なころから、それとなく触れてはいたことでしたが、
まともに話をしたことはなく、結論が出ていませんでした。
両親の気持ちの中でも先送りしてきたことではなかったのかと思います。
私自身の想いは・・・
今回、両親の世話を通して考えたことは「同じ苦労を自分の子供にはさせたくない」
ということです。
私たち夫婦を含めて、高齢者本人は自分がもしもの場合に子供や身内に面倒をかけたくないという気持ちは同じだと思います。
しかしながら、必ず誰かに面倒はかけるものじゃないでしょうか?
それじゃあ、かかる面倒は仕方のないこととして、なるべく負担が少なく済むことを
日頃から心がけていくことが必要だと思いました。
「そのとき」が起こったら、必ず通らなければならない道は、
すべてそのまま「わが身のことに置き換わる」ということです。
私の場合、現在進行形ではありますが、親の世話を通して少しづつ学んできています。
このことは、私たちの「終活の一環」だと思っています。