『愛と死』をみつめて、ここに至った?

夫のマシュウです。

熱く燃えるような「愛」も、いつかは孤独で「寂しい死」をもって終えんする・・・

これが「生きとし生けるものの運命」?であるように

夫婦の関係も「愛」で始まり、最後は「死」で幕を閉じるものなのでしょう・・・

と、哲学的な書き出しになりましたが、私が「愛と死」を論じるなんておこがましい(^^;)

実はこんな話で始めたのも、今年の札幌交響楽団の年間テーマが「愛と死」だからです。

4月に今年最初の定期演奏会を聴いたと思っていたら、

5月9日には2回目となる第637回定期演奏会が札幌文化芸術劇場hitaruで開催!

今回の指揮棒を振るのは、札響友情客演指揮者の広上淳一さん。

バイオリン独奏は神尾真由子さん。

さて、テーマの「愛と死」をどのように展開するのでしょう?

まずは「死」から・・・

クラシック音楽の源をたどると、どうも「キリスト教の神へのミサ」に行きつくようです。

つまりは「聖歌という宗教音楽」に端を発し、

死者の安息を願う曲としての「レクイエム」が生まれたようです。

クラシック界では「3大レクイエム」というのがあって、

「モーツァルトのレクイエム」

「ヴェルディのレクイエム」そして「フォーレのレクイエム」といわれています。

ですが、

「愛と死」をテーマとした今年の定期演奏会のラインアップにはコレが見当たりません。

まずは・・・

武満徹の「弦楽のためのレクイエム」で始まりました。

これは、親交のあった作曲家の早坂文雄が1955年に亡くなったのを悼んで書いた作品。

自らも結核を患い、死を意識しながら作曲したという弦楽合奏曲です。

1957年に完成し、早坂文雄に献呈。

弦の調べがなんとも「悲しい響き」で胸に迫ります。

ただ、指揮の広上淳一さんのいつものパフォーマンスで聴くにはどうも・・・違和感?(^^;)

続いては「愛」なのか「死」なのか

グラズノフの「ヴァイオリン協奏曲」は、

札響でも過去にわずか4回しか演奏されたことのない稀有な曲です。

この作曲家が?この曲が?

「愛と死」のテーマとどういういわれがあるの?と選曲の真偽は分かりません(^^;)

ですが、グラズノフが生きた時代がそれまでのチャイコフスキーやロマン派音楽から

民族主義や現代音楽へと向かう過渡期にあり、

ロマン派の流れを愛したという作曲家ともいえます。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に刺激を受けてこの曲を作ったともいわれているので「チャイコフスキー愛」といえるのかもしれませんね。

バイオリン独奏の神尾真由子さんの演奏が素晴らしかったです。

次に「愛」のテーマ

今回の選曲は、リムスキー・コルサコフの「交響組曲シェエラザード」

「愛」のテーマといえば、この曲を外すわけにはいかないでしょう。

アラビアンナイトでおなじみの「千夜一夜物語」の物語をモチーフにしていて、

アラビアの王様が、次々と妻をめとっては寝物語を語らせ、

話がつまらなければ一夜を過ごした翌朝には処刑するという残酷な仕打ちを繰り返し!

ところが新しい妻となったシェエラザードは毎夜面白い物語を聞かせて、

ついには千と一夜の物語を語り終える頃、二人には愛情が育まれていたというお話です💕

愛と冒険の話が、シェエラザードの主題によって展開していく描写力の素晴らしい曲は、

すでに耳なじみの深い曲!

スケール感たっぷりのオーケストラの響きに圧倒され、

札響の各パートの「首席奏者の独奏」の見せ所も満載!

広上淳一さんの指揮も冴え、感動しました(^^)

今回は、オーケストラの響きの中に身をゆだね、

しばし「夫婦の愛と死」について哲学にふける?時間となりました・・・(^^)/💕

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