母よ、冬に逝かないでくれ

夫のマシュウです。

私の田舎の特別養護老人ホーム(特養)で暮らす母親の調子が良くないという連絡を受け、

予定していた福井旅行をキャンセルして急きょ帰省しました💦

妻に言わせると・・・

「おばあちゃんにハッパをかけてやる!」のだそうです。

たくましいでしょ?うちの奥さん!(笑)

実はこれまでも母親の体調には波があって、何も食べたくないといっては点滴!

数日後には回復するということを周期的に繰り返してきました。

今回もまたそういう周期に入ったのかな?

電話で特養の職員さんも「一度落ち込んだものの、今は回復過程にあるのでは」と言います。

とはいえ・・・

母親は92歳。

高齢の上にさらに確実に老いていってます。

いつなんどき、もしものことがあってもおかしくないだけ体力がなくなっているのは避けがたい現実です。

このところ、これといった病気に罹っていないことだけが救いですが・・・

果たして今回は?という思いで・・・

特養の玄関をくぐりました。

このところ食欲がなくて食べたくないと言ってると聞いてますが、

アンパンが食べたい、カップ麺が食べたいと言ってるようなので、

あんこ系の食べ物を持って行くことにします。

どれだけ食べる意欲がなくなってしまっているのか?

妻がハッパをかけて立ち直るのか?

今回の帰省は、2日間滞在して、2度面会することにします。

初日は?

ベッドで横になって私たちを迎える顔は生気もなく

まぶたを開ける気力もないように見えました💦

妻が声を掛け、ベッドを起こすと聞きとるのがようやくな、かすれた声で話し始めます。

ですが、母親の話は「まだらボケ」が入っていて半分ほども聞きとれませんが、

妻は一言一言に、うんうん・・・とうなずきながら話し相手に!

持参した小さなかりんとう2本と小さなパックのリンゴジュースを飲み干し、

食欲があることを示してくれます。

この様子を見てほっと安心!(´▽`)

2時間ほどの滞在でホテルへと戻りました。

翌日は?

訪ねると、ベッドから起き上がって車イスに移ると言う母親。

まぶたも大きく見開いています。

前日の生気のない顔とは別人になった感じです。

コンビニで買って行ったアンパン1個とジュースを飲み干しました。

食欲が少し戻ってきたような感じです。

この日は、帰りのバス時間が迫っているので1時間ほどしかいられません。

ご飯といわず、食べたいものを食べることを勧める妻。

この日は前日と比べ体調もいいのか、発する言葉もよく聞き取れます。

身の回りの世話をしてくれる介護士さんへの感謝を口にしたかと思えば、

今度はホールで集う入居者さんの悪口がさく裂!(@_@)

その時の顏を見て妻が「アハハ!おばあちゃんたら、まるで悪代官みたい」

「この調子ならまだまだ大丈夫だわ!」

「私たちに悪口を話せて、ストレス発散できたみたいだね」

「ま、ガス抜きできたってことよね!」(めでたし!めでたしかな?)

冬の陽が落ちるのは早いもので・・・

4時を過ぎる頃にはすっかり暗くなってしまってます。

妻「また、近いうちに来るからね!約束!約束!」

帰り道で妻がつぶやきます。

「また近いうちに来るねって言ったら、おばあちゃんの表情がパッと変わったの、

パパ、わかった?」

私「そうだった?」

妻「これからは毎月来て元気つけてやらなくちゃね」

だけど、雪が深くなる冬はJRが雪害で止まることなんてないだろうか?💦

帰りのバスの車窓から

地平に沈んでいく西日が射しこみます。

空に浮かぶ雲を見て

妻「あ!鳳凰だ!」

私「不死鳥にも見えるんだけど・・・」

そんな雲の形に感動しながら、考えこんでしまいます💦

老いた母親に「頑張ろう!」はどうなんだろう?

老衰は誰もあらがえないもので、粛々と受け入れるしかない。

もう、私たちの願いはただ一つです。

これから寒さや雪が多くなる冬の時期にだけは逝かないで欲しい。

雪害で飛行機やJR、バスが止まっては田舎町に駆けつけることもできないですから、

せめて、かあさん、春になるまで頑張って!!

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