夫のマシュウです。
先日、父親の介護施設への入所の契約に帰省したときのことです。
病院に入院中の母親の容態について、看護師さんから説明がありました。
「薬を減らして様子を見ているが、もう、治療することがないので、近々、特別養護老人ホーム(特養)へ移ることができるかもしれませんよ。特養にも、ベッドが1つ空いたようですから・・・」
と言われたのです。
以前、訪ねたときは、寝たきりで腕を動かして、手のひらを握ることがやっとのようだったのに・・・
劇的な回復ぶり!
今じゃ、
トイレに行くのも、看護師さんにベッドから車いすに体を移し替えられれば、
自力で行けるまでになりました。
車いすも、自分の腕の力でクルマを回して、自力走行できるのです。
足も、歩くことまではできませんが、車いすに乗ったままで、
床に足をつけて床を蹴ることまではできていました。
食欲も増してきました。「病院のご飯は味気ないので、ふりかけがほしい」だの、
前回の帰省の時に買って渡した、ミニカップそばが気に入り、
「あのそば買ってきて。また食べたい」と希望もありました。
餡ものが好きで、「あんこの入ったパンを買ってきてくれないかい?」とも言うのです。
時々話がかみ合わない、まだらボケのようなところもありますが、
頭もはっきりしていました。自分以外のことにも気が回るのです。
「近所の〇〇さんが家を新築したのでお祝いのお酒を届けてくれないかい」とか、
マチから敬老の日にプレゼントされた、長寿お祝い金を、ちょっと遅くなりましたが
私が代理で受け取り手渡しました。すると、
町内会長さんからも、敬老の日のお祝い品をいただいたらしく、そのとき、
町内会長さんから、実家はどうするのか?戻れるのか、容態の見通しを聞きたかったようで、私に「町内会長さんが話があるから、子供に来てほしいと言ってたから、寄ってきて」と指示もありました。
私が特養と病院とをまわり、退院日を決め、施設入所を告げると、
「看護師さんたちにお世話になったお礼がしたいので菓子類を買ってきて」などと、
次から次へとやってほしいことの指示が口を突いて出てくるのです(^^);
「一度家に帰って、押し入れの片づけをしたいんだけど、先生が許可してくれなくてねぇ」
私が、「歩けないからじゃないの?足の筋肉をつけるためのリハビリしなくちゃねー」と言うと、
「特養に移ったら、リハビリなんてできないねぇ?病院のリハビリに通うのかな?」
手押し車や杖を特養に持って来てほしいなんて心配もし始めました。
一時はどうなるかと・・・
あの、春先の、今にも死にそうな表情はなんだったの?
みんな、一度は覚悟したよ!
葬儀会社の手配もしたよ!
まだ戻れると思っている家に一度連れて行きたかった・・・という思いと、
連れて行くと、家への未練が残るんじゃないかという心配とが交錯して・・・
家のことは考えさせないほうが良いか?
父さんと「終の棲家」で、現実を受け止めて生きてほしいと願う気持ちで、
実家の鍵を閉めてきました。