これが最後の面会・・・と思ったら?

夫のマシュウです。

遠く離れた私の実家のある田舎町の特別養護老人ホーム(特養)でひとり暮らす私の母親を、雪融けが進んだ頃の3月、面会に行きました。

すでに車いすにも乗れず、ベッドに横たわり苦しそうな表情。

その後、看護師さんから容態が思わしくないと連絡がありもしもの場合を覚悟しましたし、

そのときに備えて準備も済ませました。

それからすでに2週間以上が経過して、いつの間にか4月・・・

どうなってるんだろう?元気を回復したのだろうか?

私たちのことを認識できるのなら、また会いに行って励ましたいけど・・・

私「容態が悪くなったりちょっとした変化が起こっただけでも早めに電話くるけど、

良くなったときは先方から電話は来ないよね」

妻は「電話で容態を聞きたいけど聞くのが怖い」と、しり込みします。

ついに

私が特養の管理者さんに電話して聞くことにします。

ドキドキしながら、管理者さんが電話口に出るのを待ちます。

その方から、前回面会したときから少し回復?して、食事も摂れるようになったとのこと。

そばで息を殺して聞き耳をたてている妻が素早くメモを書いて私に渡します。

<食事は流動食?>

<どんなもの?>

管理者さん「おかゆにあんこを溶かして口から食べています」

「会話も、声掛けに反応して二言三言返してくれたりもしますが」(日によるともいいます)

コミュニケーションはとれるんだろうか?

私「実はもう2週間もしたら時間が取れるので会いに行きたいのですが、イイでしょうか?」

管理者さん「もちろん構いませんよ」

「ですがそれまでの間、もしもというときは連絡させていただきます」

私「それは、そのときのことですし、すぐに連絡ください」

こうして会いに行けることになりました。

妻「おばあちゃん、私が今度また会いに来るまで頑張ってね!って言ったから、

絶対待ってるんだと思う」

早速、日程の調整

妻とカレンダーをテーブルに広げ、この先のスケジュールを確認。

前回の面会からひと月経過した4月中旬には行けそうです。

もちろん、田舎の町の天候も気になるところ。

くもりがちではありますが、

もう春になったのですから猛吹雪などには見舞われないでしょう・・・おそらくは。

などと、スケジュールを決めて、さあ来週出発という矢先でした。

え?うそでしょ?😲

私の弟の死亡の知らせがきました。突然のことでした。

(母親より先に逝くなんて!)

すぐに、面会スケジュールを取り消し、

母親には急用で都合が悪くなったので仕切り直しする旨を伝えてもらいます。

弟の葬儀も終わり

慌ただしかったわが家もようやく落ち着きを取り戻しました。

面会の仕切り直しです。

母親は、食事も食べたり食べなかったりという状態で眠っている時間が多くなったとのこと。

まずまず安定はしているようですが、徐々に老衰が進んでいることは確かな様子。

妻「会話はできる状態ですか?」

看護師さん「できたりできなかったり、そのときの気分です」

面会希望日を伝え行く日が決まりました。

ゴールデンウィークの合間の平日に航空券の予約が取れました。

これが母親と会う最後の機会と覚悟して行って来ます。

弟の死を告げることもできずに、なんとも複雑な気持ちですが・・・

思いを乗せて!

出発した羽田は晴天でしたが・・・

北海道は数日前に降った雪が残っています。

当日

面会はできましたが、前回と同じ寝たきり状態。

ですが、今回はしっかりと目を開けています。

「おばあちゃん!」

妻が呼びかけると、目を見開き口を動かしています。

何か言葉を発しているようですがよく聞き取れません。

入れ歯を外しているので発音がはっきりしないと特養の職員さんに聞かされてたので、

ゆっくりと話しかけます。

笑いが免疫力をアップするというので、妻は冗談をいっぱい言っては笑わせます。

母親はそのたびに口を大きく開けて笑います(弱々しいですが)

妻「パパ!おばあちゃん、回復したわ!?」

一時間ほどの面会でしたが、前回の今にも死にそうな表情は何だったの?

聞くと、ご飯を食べて口から栄養を摂っていることが大きいようです。

この分ならまだ大丈夫・・・?

妻「また来るからね!」

か細い声で母親の口元は「また来てね」と動いています。

私も「またね!」

母親が「待ってるよ」と言ってるように口が動いています。

母親の手を握って・・・

帰りのバスの中で・・・

妻「また会う約束したから、まだまだ大丈夫だよ」

こうして、幾分気持ちが軽くなって特養をあとにします。

春になったとはいえ、北海道の朝晩はまだ冷え込みが厳しいです。

帰りのバスの乗客は私たち二人だけ。

車内はうすら寒い空気に包まれてるのですが、

ホッとして気が抜けたような気持ちの二人を乗せ、今夜の宿泊地に向けてひた走ります。

今度来れるのは夏前かな?

それまで元気でいてくれるだろうか?

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