「神田日勝」展で「なつぞら」を思い出す

夫のマシュウです。

新型コロナ禍で、外出自粛や経済活動の停滞もあり、

市民生活もギスギスしたものに陥りがちになっていました。

しかし、最近は、私たちの心を潤す「文化・芸術」などの分野でも

万全の「感染防止対策」を施して再開に踏み切ったところが増えてきました😊

先日訪れた「東京国立博物館」は入場日時の指定、観覧時間の制限などをもうけて

マスク着用はもちろん、体温測定、手指のアルコール消毒をしたうえで入場!

館内での密集を避けるため、係員による巡回や呼びかけも頻繁!

徹底した感染防止で安心して鑑賞することができました😊

さて、札幌の「北海道立近代美術館」では

没後50年「神田日勝 大地への筆触」展が開催されるということで、

9月に早々と前売り券をゲット!

日時は指定されておらず、いつでも観覧できるということで、

行く日を決めかねているうちに、11月8日の最終日が近づき、

あわてて行くことにしました😊

北海道立近代美術館

木々の落葉が進む晩秋の札幌です。

「神田日勝」は、昨年のNHK連続テレビ小説「なつぞら」で、

吉沢亮さん演じる「山田天陽のモデルになった開拓農民でもある画家」で、

「32歳」という若さで夭折しました。

北海道、十勝の鹿追(しかおい)に入植し、牛飼いを始めた生活の苦労や、

生きざまがドラマでも描かれ、感動に涙したものです。

同展は、新型コロナ禍の中の東京を皮切りに、

鹿追での巡回展の最後に、札幌で開催されました。

神田日勝の没後50年を記念した回顧展として

札幌では「42年ぶりに開催」されるといいます。

開拓時代の厳しい農民生活を続ける中で筆を執った、その作品に触れようと

会場には、多くの「日勝ファン」で賑わっていました😊

感染対策も、マスク着用、手指の消毒や検温、連絡先の登録も!

密を避けるため、床には鑑賞する位置を足形シールで示され、

係員も注意を促します。

吉沢亮さんの音声ガイドが「自分のスマホのイヤホン」で聞けるようになっていて、

会場で貸し出すヘッドホンよりも感染リスクを減らせる試みがなされていました😊

27,8歳ころの作品から

「飯場の風景」

開拓農家で働く男たちの休息している姿を描いたものです。

部屋の中央の「ストーブの青」がモノトーンの色調の中で、

「生命の光」のように際立って見えるのはなぜでしょう?

労働者の顔はごつく、手足は筋肉質に大きくデフォルメされて力強いのですが、

どこか報われない?不幸な影が付きまとっているように見えました。

この頃の作品は暗い感じが多いのはなぜなのでしょうね。

「人間」

会場内は撮影禁止で、パンフレットにも残念ながら掲載されていません。

日勝の「一家団らん」を描いた作品でした。

家族を描いた「希少な作例」だそうです。

明るい色調で描かれた、家族3人がちゃぶ台を囲む「睦まじさ」が、

「開拓の苦しさ」を忘れさせてくれます。

「牛」「死馬」

どちらも、飼っていた牛や馬が亡くなったときの姿を描いた作品。

それまで生活を共にしていた「牛や馬の姿」がその「毛並みまで丹念」に描かれていて、日勝の愛情が強く伝わり、思わず、立ち尽くしてしまいました。

活力充実期?

「晴れた日の風景」

日勝30歳のときの作品。

「ベニヤ板4枚」をいっぱい使い、色彩も鮮やか!

「エネルギッシュで躍動感あふれる」筆致です!

観る者に「生きる力」を与えてくれるような「ダイナミック」な作品!

「アンフォルメルの試み」のコーナーに展示された作品で、

1950年代後半にフランスからもたらされた

「抽象表現主義の芸術運動・アンフォルメル」に触発されたようで、

直接叩きつけるように描いたパワーに圧倒!

それまでの暗い色彩のイメージを払しょくさせる作品でした。

そして晩年・・・

「室内風景」

「亡くなる直前」に完成した作品です。

壁や床にびっしりと「新聞紙」が貼られ、床には「雑然とモノ」が置かれている中で、

作者自身が「膝を抱えるように座っている」構図は、

神田日勝を語るうえであまりにも印象的です。

強いインパクトで観る者に迫ってきます。

ジーっとこちらを見つめている「目線」は何かを問いかけられているような、

日勝の「生きざまと内面」を描いているように感じました。

そして!!!

「馬(絶筆・未完)」です。

神田日勝といえば「未完の馬」というくらい有名な絵です。

下塗りもしていない「ベニヤ板に骨太な農耕馬の上半身だけ」が描かれています。

下半身は「鉛筆で輪郭線」が書かれていました。

正確には、上半身も頭と前足の部分は完成していますが、胴体はまだ下塗りの状態!

これだけでも日勝が描こうとした「農耕馬のたくましさ」に想像力をかきたてられます。

「下半身は未完成」のまま、日勝は逝ってしまいました😢

この作品は、未完であるがゆえに「強烈なインパクト」があります!

いや、これは未完じゃなく「未完の完」とはこのことをいうのでしょう。

「未完の完」は人の生命にも通じるように思います。

神田日勝は若くして世を去りましたが「素晴らしい芸術」を遺してくれました👏

展示作品を通して、神田日勝の生きた時代と環境がうかがい知れ、

そのなかで彼が訴えたかったものは何か、朝ドラのストーリーと重なってしまいました。

(注:アイキャッチ画像は展覧会のポスター、その他の絵は柳月さんのお菓子箱から借用しました)

鑑賞後は・・・

記念に、十勝の「柳月(りゅうげつ)」さんのクッキーをゲット!

お腹も空きましたよ!

全集中?で、作品を鑑賞するとお腹が空きます!(笑)

大通のファッションビルPARCO内の釧路ふく亭「櫂梯楼(かいていろう)」

昼食をとることに!

妻アンは、数年前に私と入った店だというのですが、

私の記憶からはすっかり消えていました💦

「パパったらすぐ忘れるんだね!」とイヤミ?を食らう始末!(;´д`)トホホ

新たな気持ちで?御膳をいただくことにしました(笑)

店内はまだお昼前だったので空いています。和モダンでステキです。

注文したのは、おばんざい寿司セット

7種類のおばんざいと、寿司5カン、味噌汁、茶わん蒸しのセットで

なんと1,280円也!(@_@) コスパ最高でしょ?

沢山の種類を食べたいのはやはり女子の心理?(笑)

神田日勝の作品で心が満たされ、お昼ご飯でお腹も満たされ、

眠気をもようしてきたので帰ることにします。

充実した一日でした・・・(^_-)-☆

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