義父の遺した記憶

夫のマシュウです。

妻アンは、送った食材を子供夫婦が美味しく食べたよ・・・とLINEメッセージが届くと

すぐにでも、また送りたくなるようです(^^)/

そのためスーパーに買い物に行くたびに、

今度は何を送ってあげようかな・・・と品定め。

子供夫婦が仲良く食べる姿を想像するのが楽しいのだそうです。

その気持ちは、いずこの親も同じ・・・

亡き義父

今になって懐かしく思いだすのは、妻の父親(義父)のこと。

遠く離れた田舎で暮らす義父は、ことあるごとに「いろんな食材」を送ってくれてました。

一度、妻から餅が好きだということを聞くと、

真空パックされた板餅を一度に何枚も送ってくれていました。

もう食べきれないほどです(^^;)

あるときは、わが家に訪ねてくるとき、愛用のリュックサックに

いっぱいのお土産とともに、またも板餅!(笑)

妻「わー!重かったしょー」

義父「このくらい、山に登っていた頃に比べると大したことないさ」

ヘルスメーターにのせてリュックサックの重さを計ると

30kgもあったでしょうか。もうビックリです!

妻「お父さん、こんなに持ってきてくれたんだね。ありがと!」(^^;)

おかげで、食材置き場には板餅が何十枚も積み上げられ、餅の山です(笑)

それこそ毎朝の食卓に、海苔を巻いて「いそべ餅」などで食べていましたが

いつまでも続くので、さすがに子供が食べ飽きてしまうほど・・・

おかげで?子供は餅が嫌いになってしまったほどです(笑)

しかし、今ではそんなこともあったな~と、懐かしい思い出です(^^)/

もうひとつ、浴用の固形石鹸のこと

結婚以来、義父がよく送ってくれていたものです。

何か欲しいものはないのか?と問われて、

妻「お風呂で毎日、固形石鹸を使っているのでたくさんあるといいな~」

この一言で?いつもたくさん送ってきました。

もちろん訪ねてくるときはリュックにも入れてね。

その固形石鹸は、あまりにもストックが多いので、

私の実家にもおすそ分けしたことがあります。

実家の母親「こんなにあって、一生分使えるわ!」(笑)

もちろん我が家でも、毎日のお風呂には欠かさず使っています。

在庫がなくなってきた

その固形石鹸も、義父が他界して、3年半になろうとしている今年の12月に入って、

お風呂に入っていた私が「おーい!新しい石鹸もらえるー?」

妻「はい。お父さんが買ってくれた最後の石鹸。大事に使ってね~」と渡してくれます。

そう聞くと、急に石鹸が愛おしくなって、それ以来、大事に使う毎日です。

あと何日持つかな?(^^)/

そうなんですよ。

娘のアンがこれがイイと言ったらこればっかり送ってくる、

不器用な義父でした。

おかげさまで、わが家は結婚以来41年、浴用石鹸を買ったことがありません(笑)

まだありました!

認知症の義父を札幌に呼んで、グループホームで暮らすようになってからは、

ホームを訪ねる妻アンに、ここでは買い物にも行けないので

「お前におみやげが何もない」と言っては、

自分の唯一の大切なリュックサックに詰め込んでいた「ティッシュペーパー」の塊を

「持って行きなさい」

そう言って手渡してくれました(^^)/

なんでも、入所者の皆さんがホールで集っているとき、

自分の座るテーブルに置かれているティッシュボックスから

ティッシュペーパーを少しづつ取り出してはズボンのポケットに入れる。

これを何度も何度も繰り返し、自室に持ち帰っていました。

かわいい娘のアンに持たせるつもりでため込んでいたのです。

義父「共用物なんだから、かまわないんだ」とは言うのですが、

施設の担当者はしっかりカウントしていて、代金は請求されていました。

(ひと月のティッシュペーパー代金4千円越えでした)

認知症の症状のひとつだそうです。

先日、そのティッシュが残り少なくなったことを妻がしみじみと言います。

「ティッシュも、もうこれで終わりだから、大事に使わなくちゃね」

義父がこの世を去って、もう3年

義父が遺してくれたものが、こうしてひとつひとつ減っていって、

辛い思い出も「そういえば、そんなこともあったなー」と

今度は「楽しい思い出」として懐かしむこの頃です。

お義父さん、札幌も雪が降りましたよ。

お義父さんの大好きな冬がやって来ましたね。

大好きなスキーを楽しんでいますか・・・・・・☆

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コメント

  1. ジェリー より:

    こんにちは ジェリーです。
    いいお話です..1つ1つのエピソードに お父様のお人柄が偲ばれます。
    アンさんお父さんから長年 いっぱい愛情を注がれてきたのですね!?
    きっとそれは当り前のようでいて 実に幸せなことですね?
    娘夫婦の幸せを願うお父さんの気持ち..ずっしりしたリュック..
    有難迷惑も含め分かるな~。
    「人」って、子になったり..親になったり..妻(夫)になったり..
    兄弟になったりして 人生の季節を廻って行くものなのですね~。

    今日はクリスマスイブ。
    お二人まだ ディープに九州旅を続けていらっしゃるのでしょうか?
    あるいはもう 雪の札幌へ無事に戻られましたか..。 
    旅のお話・・ジェリー楽しみです。

    • ともに白髪の生えるまで より:

      ジェリーさん、コメントありがとうございます。マシュウです。
      親の想いというのは生きてる間は有難迷惑に感じても、
      いなくなって初めて分かるものなのかもしれませんね(^^)/
      親の小言と冷や酒は後で効くといいますが、ちょっと違う?(笑)
      ところで札幌には雪を避けて無事帰りつきましたよ!
      ジェリーさん、こんばんは。アンです(*^-^*)
      認知症になってからの父親との思い出は、
      どちらかというと辛いことが多かったですね。
      一度、父親の部屋(個室でした)で大げんかしたことがあります。
      あんなに声を荒げて、自分の気持ちを爆発させたことはありませんでした。
      たった一度だけでしたが、今、思うと後悔することしかり・・・
      悪い娘です。げんこつ100発でしょう。いや1000発かな。
      いつの日かあの世で父に会えたら謝ろうと思っています。
      不器用でしたがとても真面目で誠実な人柄でした。
      自分でも死期を悟っていたのでしょうね。
      初めて私の生母の事を話してくれたり、夫に世話になったねと感謝の言葉を掛けてくれました。
      私にもね!
      本当に嬉しかったです。
      時々、この世にはもういないのだと思うと泣けてきます。
      ジェリーさん、ごめんなさい。
      泣きながら書いてます(*´σー`)エヘヘ