夫のマシュウです。
新型コロナの流行が下火になってきたとはいえ、
母親の暮らす施設では「平日に限り、人数は二人まで、時間は15分、事前予約が必要」
という面会制限が続いています。
季節的に冬場に雪の多い田舎に行くことは、天候の急変も怖いですし、
利用する公共交通機関の運行状況も気になり、慎重にならざるを得ません。
なので、両親が健在の頃でも、冬場に訪ねることはできるだけ避けていました。
先日のこと
ひな祭りにかけて、母親あてに、小さなひな人形の飾り物や、
ひなあられなどのお祝いの駄菓子を贈っていました。
しかし、特養の職員さんからも着いたとも連絡がなく
こちらから確認することも、はばかられていました。
そうこうしながら、定期的に妻が送る絵ハガキに、ご機嫌伺いの文言のほかに、
「おばあちゃん、電話で声を聞かせてね」とひと言添えました。
これまでも母親が電話をくれるタイミングは、自身のリハビリの運動後でしたから
電話してくるなら今日かも?などと淡い期待・・・
そんな矢先に私のスマホの呼び出し音が鳴りました。
特養の職員さんからです。
職員「お母さんが電話で話したいとおっしゃるので、お時間イイですか?」
私「はい。いつもお世話になってます」
電話の向こうで母親が誰が出たか、確認している声が聞こえます。
母親「お兄ちゃんなの?」
私「そうだよ!お兄ちゃんだよ!」(笑)
母親と話をするときは、いくつになっても親子です(笑)
私「元気だった?」
母親「私は元気だよ!だけどなかなか会えないものねー。コロナってイヤだねー。まったく」
相変わらず、愚痴っぽい言い方です。
母親「私ね、お金がないから、ジュースも買えないんだよね」
私「そうかー、手元にお金がないと何も買えないものねー。今度送ってやるからねー」
母親「ところであんたに相談したいことがあるんだけど、電話ではね・・・」
母親にはいつも「心残りなこと」があるのは分かってます。
いちばんは、
父親の葬儀を取り仕切った神社の神職への挨拶と、父親の周年祭のことで、
自分が直接挨拶できないことが心残りの様子。
あまり込み入った話もできないので、そこそこにして、妻に電話を代わります。
妻「春になるけど、何か着るものとか欲しいものはないかい?」
母親「あんたに送ってもらったものもあるし、あるもの着るべさー」
妻「もうすぐおばあちゃんの誕生日だから、春物の服、送ってあげるね」
母親「え?誕生日?」
妻「そうだよ!今度92歳になるんだよ!」
母親「92にもなるってかい?」(笑)
妻「そう!めざせ100歳だよ!」(笑)
電話が終わって・・・
妻「まだまだ大丈夫!頭もしっかりしてるわ!受け答えも何でもないもの」
私「この前の電話では、まだらボケがかってるような感じだったけどね」
妻「まだらは歳をとったら誰にでも起こるようだから仕方ないよ」
私「オレが誰だかわかんなくなっちゃったら困るものね」
妻「そうだ、これから誕生日のお祝い買ってくるね!」
「春物の服も送ってあげたいし!」
そして、言うのです。
「あと何回、プレゼントできるかわからないから」・・・・って。
そうですね・・・確かにその通りです。人は必ずシニマス。
いろんな思いが交錯する午後でした。
💛荷造り中の写真
洋服&おふくろの好きなバラの飾り物などが入っているみたいです。
手紙は「おばあちゃんどうか元気で長生きしてね。目指せ100歳」という内容らしいです。
息子の私は一度も手紙を書いた試しがありませんが・・・(^^;)