オーケストラの夏休みが終わり、自分の趣味も再開です♪

夫のマシュウです。

札幌交響楽団の定期演奏会も「夏休み」が終わり、8月24日から再開しました♪

この時期、札幌では恒例のPMFがあったり、札響自体も地方公演があったりと、

忙しい期間ですが、日本のオーケストラは大体、定期公演が夏休みに入ります。

ここ2カ月ほどオーケストラの響きから遠ざかっていたクラシックファンが待ちかねたように、札幌コンサートホール・キタラに向かいます♪

私もその一人です(^^)

夏の昼下がりの中島公園

午前中に雨が降ったせいか、緑は目にまぶしいですが、菖蒲池のボート乗り場は閑散としていました。

風もなく穏やかな湖面に家族連れのボートが一艘・・・

札幌コンサートホール・キタラに続々と聴衆が・・・

今回のテーマは

札響の首席指揮者のマティアス・バーメルトさんが、毎回の定期演奏会の「シリーズ企画」として各指揮者に投げかけた「お題」は「作曲家が作曲家に出あうとき・・・何を感じ、何を与えたのだろう?」です。

今回、指揮するのはお題を出した本人で、マティアス・バーメルトさんご自身の「回答」は?

札幌交響楽団第621回定期演奏会のテーマは「再生(Resurrection)」

選んだ曲は、ブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番」のシェーンベルク編曲による管弦楽版!

シェーンベルクが敬意をもってブラームスが書いたすべての音が聞こえるように編曲したという、管弦楽の圧倒的なパワーを活かして「再生」した傑作だということです。

また、マティアス・バーメルトさんは邦人作曲家の作品と、若手音楽家の起用にもこだわりました。

クラシック界期待の二人、ヴァイオリンの郷古廉さん、チェロの横坂源さんを招き、

ブラームスの「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」を演奏します。

また、曲名に「再生」が使われている武満徹の「死と再生」は、井伏鱒二原作の「黒い雨」の映画音楽からの編曲。

原爆投下された8月に、平和を祈念して演奏されるというのも意義深いことです。

「再生」のテーマをどのように表現してくれるでしょうか、楽しみです(^^)

演奏曲目

武満徹/「死と再生」~「黒い雨」より

広島に原爆が投下された後の、ある一家の悲劇を描いた井伏鱒二の小説「黒い雨」を原作として、今村昌平監督が映画化した際に音楽を担当。

それを演奏会用に弦楽オーケストラ曲として1996年に編曲した作品で、

武満徹最後のオーケストラ曲だということです。

演奏時間は約10分。

ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲

1887年に作曲されたブラームス最後の管弦楽曲です。

当初は「交響曲第5番」として作曲されるはずでしたが、ヴァイオリンとチェロを独奏楽器とする「二重協奏曲」へ変更されたという異色の経緯をたどった曲。

不仲となっていた名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムとの和解を図ろうとして

ヴァイオリンとチェロの扱いについて、ヨアヒムの助言を求めながら協奏曲として完成させたという逸話があります。

全体は3楽章構成で、演奏時間は約35分。

ブラームス(シェーンベルク編)/ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)

1937年にシェーンベルクがブラームスの書法に忠実にオーケストレーションを試みた作品。

この編曲にも逸話があり、シェーンベルクに編曲を薦め、初演したのがかのオットー・クレンペラーだということです。

クレンペラーはこの編曲を原曲以上に美しいと褒め讃えたそうです。

全体は4楽章構成で、演奏時間は約45分。

演奏会の感想

武満徹の「死と再生」は、演奏される機会の少ない曲で、私も初めて聴くことができました。

弦楽パートだけの編成により静謐に奏でる重々しく悲しい調べは、哀切と静けさに満ち、

バーメルトさんの指揮のもと、札響の抑制された弦の響きが、映画のテーマさながらに

もの悲しく胸を打つ演奏でした。

武満徹の作品には、他に演奏される機会の多い「弦楽のためのレクイエム」がありますが、

もう一つのレクイエムのような鎮魂に満ちた心にしみる曲です。

ブラームスの「二重協奏曲」は、現在の若手演奏家でもイケメンで人気のある演奏家の二人が登場!

いつもはシニア色が目立つ会場の雰囲気も、心なしかアイドルを迎える風の空気感が漂います!(笑)

二人の息を合わせた切磋琢磨感が伝わる勢いのある演奏が印象的でした。

アンコール曲は、ラヴェル/ヴァイオリンとチェロのためのソナタ第2楽章、

お二人の若いエネルギーに満ちたハツラツとした演奏は素晴らしかったです!

ブラームスのシェーンベルク編「ピアノ四重奏曲第1番」(管弦楽版)は、

最終楽章なんかシェーンベルクのアレンジが派手で、ブラームスもビックリ!?

オーケストラの魅力を存分に発揮した迫力ある演奏になっていました。

普段、聴きなじみのない3曲でしたが、モノトーンの悲劇的な「死」のテーマで始まるも

最後は色彩豊かな「再生」で締めくくる構成。

平和な時代で良かったな~としみじみ感じながら帰途に着きました(^^)/

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