ハインツ・ホリガーさんは80歳にして伝説をつくった!

夫のマシュウです。

今年は猛暑だ!9月に入っても残暑が厳しい!夜でも30℃!

扇風機もかけたまま寝るので体調不良!なにこれ?

と思っていたら、いつの間にか涼しい風が!いやもう寒いくらいの気温に!(笑)

大雪山黒岳からは「初雪の便り」も聞かれ、北海道に短い短い秋の訪れです。

そんな季節の変わり目にある札幌で、9月21日・22日にラグビーワールドカップの熱い戦いが繰り広げられました🏉

心なしか、札幌の中心部はいつもより外国人の姿が目に付きます。

試合会場の札幌ドームはさぞかし賑やかなことでしょう。

ラグビーファンはビールを大量に消費するといいますから、

札幌市内からビールがなくなるのが心配です!?(笑)

サッポロビール園でビールが売り切れとか?になるのかな(笑)

そんなことを思い浮かべながら、私はひとり札幌コンサートホールキタラに向かいました。

今日は「札幌交響楽団の第622回定期演奏会」があります♪

今回のテーマ

札響の首席指揮者マティアス・バーメルトさんが各演奏会の指揮者に課した「お題」は

「作曲者が作曲者に出あうとき・・・何を感じ、何を与えたのだろう?」でした。

果たして、今回の定期の指揮者ハインツ・ホリガーさんの回答は?

「転生」(トランスクリプション)でした。

「ホリガー生誕80年、自らの音楽人生をえがいてみせる自画像的プログラム」とあります。

お題に答えて、ホリガーさん自作のそれぞれリスト、ドビュッシーに基づいたテーマによる曲を2曲と、バッハのカンタータ2曲をホリガーさんのオーボエの吹き振りで演奏!

そしてバッハからの引用で知られるベルクのヴァイオリン協奏曲をホリガーさんご指名の

ヴェロニカ・エーベルレさんを迎えての演奏となります。

最後は、シューマニストのホリガーさんが一番好きだというシューマンの交響曲第1番「春」で締めくくります。

ホリガーさんは今年80歳を迎える、言わずと知れた「世界的なオーボエ奏者」であり、

指揮者であり、作曲家という多彩な才能の持ち主です。

そのホリガーさん自身の人生を振り返るような「自画像的」プログラムです。

演奏曲目は

演奏順に・・・

ホリガー/2つのリスト・トランスクリプション

ホリガーさんが、バルトークの高弟シャーンドル・ヴェレシュの80歳のお祝いに作曲した作品で、リストが晩年に遺した2つのエニグマ(謎)をホリガーさんがインスピレーションした音楽言語に置き換え表現した作品だということです。

札響初演の曲で、演奏時間は約12分

J.S.バッハ/カンタータ「泣き、嘆き、憂い、怯え」よりシンフォニア

教会の礼拝で演奏される教会カンタータで、シンフォニアはカンタータの第1曲、

歌詞を伴わない導入曲で、カンタータ全体の象徴表現となる曲です。

まず演奏されたのは標題のとおり、深い悲しみを表す曲の冒頭、ヴァイオリンの伴奏でオーボエの印象的な悲観の旋律が奏でられるのが、第1曲「シンフォニア」です。

カンタータ「わが心に憂い多かりき」よりシンフォニア

教会カンタータのなかで最も規模の大きな作品の第1部第1曲の序曲「シンフォニア」

オーボエとヴァイオリンの掛け合いによる沈鬱な旋律と不協和音がまさに「心の憂い」を表していて印象的な曲です。

2曲ともに札響初演で演奏時間は約7分

ベルク/ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」

アルマ・マーラーの娘マノンが急逝したことを嘆いて、マノン=天使に捧げる曲として作曲されたということですが、ベルク自身、この曲の完成後演奏を聴くこともできずまもなく急逝したため、最後の作品となったということです。

2つの楽章で構成され、演奏時間は約30分

ホリガー/アルドゥル・ノワール(黒い熱)

副題に『ドビュッシー「燃える炭火に照らされた夕べ」による』とあります。

ドビュッシーが晩年の困窮した時代に世話になった炭屋へのオマージュとして作曲した同名のピアノ曲をもとに、合唱と管弦楽にアレンジして哀愁を表現!

札響合唱団のメンバー約20名も登場!

札響初演の曲で、演奏時間は約8分

シューマン/交響曲第1番「春」

標題の「春」は、シューマンが曲の冒頭のイメージから、当初「春の交響曲」と呼んだことからつけられているということです。

シューマンが熱愛したクララとの結婚が成就したばかりで、幸福と快適な生活を物語る、

まさに人生の春を思わせる明るい雰囲気と希望に満ちた曲です。

全体は4楽章構成で、演奏時間は約33分

演奏会の感想

ハインツ・ホリガーさんと札響の関係は今回で3度目の指揮となりました。

ホリガーさんは80歳とは思えない若さで指揮をされました。

自身の作品を演奏し、自身がバッハの作品を演奏して聴かせ、自身が尊敬するシューマンの交響曲を指揮するというなんというぜいたくな時間でしょうか。

大家が奏でるオーボエの素晴らしい響きにしばし酔いしれました。

まさにホリガーさんの80年の人生の集大成ともいうべき記念碑的コンサートになりました。

ドイツ出身のヴァイオリニストのヴェロニカ・エーベルレさんは天才とも評された深い情感を湛えた演奏は聴衆の心を鷲づかみ!

名演を聴いて少し火照った体に夕暮れのせまった中島公園の涼しい風を心地よく感じながら会場を後にしました。

帰宅の途中、札幌ドームで試合のあったラグビーワールドカップのパブリックビューイングで盛り上がる市内2箇所の会場の様子を見てきました。

道庁赤れんが前の北3条広場(アカプラ)のパブリックビューイング会場

下の2枚は札幌駅南口広場のパブリックビューイング会場です。

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