今年の締めくくりはこれ!「札響の第九」を聴いてきました!

夫のマシュウです。

2018年も師走の半ば、カウントダウンが始まりました。

私のいつもの1年の締めくくりは「札響の第九の演奏会」を聴きに行くことです(^^)

第九といえば、言わずと知れた、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」ですね。

今年も、この時期、全国各地で演奏されていることでしょう。

まさに「暮れの風物詩」ともいえる行事です。

ということは、日本で一番、演奏回数の多いクラシック曲かもしれませんね。

なぜ年末に第九演奏会が多いのか

どうして年末になると、こうも、第九の演奏会が多いのでしょうか?

これは、日本だけの現象らしいといわれています。

欧米では特別の日に演奏するものだと聞いたことがあります。

確かに、ベルリンの壁が崩壊した時の演奏会で第九が演奏されていたと記憶しています。

日本で、全ての交響楽団が12月に第九を演奏するようになったのは、

昭和39年からといわれています。

その後、全国に波及し、演奏回数が飛躍的に増えていくわけですが、そのわけは、

①聴衆が良く知ってる曲なのでそのニーズにこたえるため

②1年の締めくくりにふさわしい大曲だということ

③第九の演奏会は会場をいっぱいにすることができ、経済的に安定すること

などがあげられますが、

一説によると、この③番目の効果が大きく、当時貧しかった楽団員(合唱団員)の生活にとって、第九は会場がいっぱいになるので年越しの金稼ぎになるからということらしいです(^^)/

日本で最初に演奏されたのは?

これほど全国に知れ渡っている第九が、日本で最初に演奏されたのはいつ、どこでだったのでしょう?

これも有名な話ですが、第一次世界大戦中、四国の徳島県坂東郡坂東町檜というところにあった「坂東俘虜収容所」に、戦争によるドイツ人捕虜が約1000人収容されていました。

そこでは、収容所長の管理方針もあり、捕虜たちはかなり自由な日常生活を送っていたそうで、村人との交流も盛んだったようです。捕虜にはいろんな分野の専門家も多く、音楽家も含まれていて数多くの音楽会も開かれていたようです。

そのような環境の中で、大正7(1918)年6月1日に、ベートーヴェンの第九交響曲が演奏されたということで、これが日本で初めて第九が演奏された日だといわれています。

当時の捕虜たちにとっては、故郷への郷愁と自由への解放を祈った演奏だったのかもしれません。

このエピソードからも、うかがい知れますが、第九にベートーヴェンが込めた「至福の喜び」の気持ちや「古い秩序からの解放」などの想いが、さらに時代を超えて現代にいたるまで、

私たち聴衆にも大きな感動として連綿と受け継がれてきているということを感じざるを得ません。

ここでお分かりのように、今年2018年は第九が日本で演奏されて

「100年」になるという記念すべき年だということです。

注目の演奏会

年末には全国で演奏会が開催されます。

私は、毎年末に札響の第九を聴いて、1年の出来事を振り返りながら、ベートーヴェンの最高傑作の世界に浸ることに感謝して、1年を締めくくることにしています。

また、NHK交響楽団の演奏会もありますが、こちらはNHKのFM放送で生で聴いて、

その演奏会の模様を12月31日の夜にEテレで放送される録画を観ることです。

そして、第九の演奏会で、一番の話題といえば「佐渡裕」さんが指揮する「1万人の第九」でしょうか。

今年も開催されましたね。ライブ中継されたりして、すごい盛り上がりを見せています。

こちらの様子も編集されてTVで放映されますので楽しみに観ています。

その他、いろんな交響楽団の今年を振り返る演奏をとおして、聴く人それぞれに

いろんな思い出が作られることでしょう。

第九の演奏会でのみどころ?

毎年の演奏会なので「あること」に注目して観て?います(^^)

交響曲に「合唱」が入るのはベートーヴェンが最初の試みでした。

ひとつは、合唱団の方々にとっては、第4楽章「歓喜の歌」まで手持無沙汰になります。

そのため?途中で居眠りしてしまう方がたまーにいるものですから、

気が緩んでコックリしていないか?

最後まで緊張感を保っているか?観察してしまいます(^^)/(失礼~)

第4楽章まで出番がないのは、独唱する歌手の方も同じです。

もっとも、独唱者が入場してくるのは第3楽章の始まる前が多いのですが、出番まで待っている間、のどが乾かないか心配して観察しています。

ちゃんと声が出るだろうか・・・プロですから失敗はないのですが・・・

聴衆の目線がありますので、さすがに居眠りすることはありませんが、手持無沙汰感を感じるときもあります(^^)/

もうひとつは、ある楽器のパートも第4楽章まで出番がありません。

大太鼓とシンバルとトライアングルのパートは第4楽章の中ほどで印象的なトルコ風のリズムを2度奏でるのですが、出番はここだけです。

第3楽章が始まるときに独唱者と一緒に入場するのですが、お待たせ!待ってました!という感じで登場します。ちょっと照れくさそうです。

その3人の演奏の瞬間を観ることも楽しみに待っています。

最初から準備しているパートでも、第4楽章まで出番がないのが、トロンボーンとピッコロですね。

トロンボーンは中ほどで重低音の響きが重々しく、ピッコロは曲の締めくくりので華々しい響きが聴けて圧倒的存在感がありますね。

今年の札響の第九は・・・

今年の札響の指揮者は「大友直人」さん。

今回は、初めにモーツァルトの歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲が演奏されました。

第九への期待を高める演奏でしたが、果たして大曲を聴く前に必要だったかは・・・?

そして、いよいよベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」が始まりました。

独唱は、ソプラノが中江早希さん、メゾソプラノが金子美香さん、テノールが山本耕平さん、バリトンが与那城敬さん。

合唱は、札響合唱団、札幌放送合唱団、札幌大谷大学合唱団です。

第1楽章の静かなバイオリンの出だしがいいですね。

何かを暗示させ、聴く人をひきつけます。

そして、フルオーケストラによる力強い世界に引き込まれます。

第2楽章はテンポが速くなり、軽快なメロディを奏でます。ですが、テンポが速いのに何か影も見え隠れする楽章です。

第3楽章のアダージョが人生のいろんな迷い、悩みから解放された天上の音楽のような、宗教曲のような響きに涙が出そうなくらいに感動します♪

眠って?聞いている客もいますが・・・

個人的には第3楽章が好きです♪

第4楽章に入ると、それまでの迷いや悩みを吹っ切って、天上の至福を得ることができるんだという、救いの手が差し伸べられたような導きが、合唱と独唱によって交響曲の枠を超えて大きくホールいっぱいに、

また、心の中にも響きわたります。

これはベートーヴェン最後の交響曲として、これまで音楽というものを革新してきた

「栄光」と、後年の「身体的苦痛」から悟った、ベートーヴェンの生きざまの集大成でもあるのでしょうが、

同時に聴衆への人生を励ますメッセージとでもいうような感慨をもって聴き入りました。

さあ、今年もあとわずかです!

来年はどのような年になるか、いやどのような年にするか、

希望を持つ「勇気」をもらって帰りました♪

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