『新世界から』で思い出すこと(涙)

夫のマシュウです。

今年3月に、私の田舎の特別養護老人ホーム(特養)で暮らす母親に会ったときの様子を見て、来るべきその日に備えなければならないと覚悟しました💦

以来、母親の様子を気にしない日はありません。

とはいえ、いっときの、もうダメかもしれないという危機を脱した?かのような、

最近の安定している母親の様子に安心するわれら・・・

非常事態に身構えした日々から少し気持ちが楽になってもきています(^^)/

日帰りではありますが、夫婦で少し遠出もする余裕ができました。

先日は

私の少ない趣味のひとつで

今年度から始めた読売日本交響楽団(読響)のコンサートの例会を聴いてきました。

この日の演奏会は川瀬賢太郎さんの指揮!

演奏曲目が、ガーシュインの『パリのアメリカ人』と、

ソリストに阪田知樹さんを迎えてラヴェルの『左手のためのピアノ協奏曲』

後半はドヴォルザークの交響曲第9番『新世界から』でした。

読響は人気が高いようで、

しかも、よく知られている有名な曲目が連ねているということもあってか、

会場の東京オペラシティは満席!

私もよく知っている曲が演奏されるので期待も高まります♪

ところで

私も70余年もの長い人生を送っていると、

そのときどきに「強い印象を受けた思い出の曲」というのがあります。

今回の演奏曲目のひとつ『新世界から』で思い出すのが、私が中学校に入った頃のこと。

当時、音楽の先生にスカウト?されてクラブ活動で入ったのがブラスバンド部。

スカウトされたといっても体格がチューバ向きだったからというだけの理由です(笑)

それまでは、楽譜も読めず音楽には縁がなく

聴いたこともほとんどなかった「クラシック音楽」にそこで触れることになりました。

ちょうどその頃

わが町に篤志家の寄付で「街頭チャイム」が設置されて、

毎日、午後5時になると町中に響き渡るほどの音量で流れる

ドヴォルザークの「家路」のメロディを初めて耳にしました♪

これを合図に家に帰らなくちゃ!

哀愁を帯びたメロデイが気になって、これはなんだ?

これが『新世界から』のメロディだと知って、

この曲が納められたLPレコードを買ってほしいと親にせがんだ末、

小さな町のただ1軒しかない本屋さんで母親が初めて買ってくれたのが、

レナードバーンスタイン指揮でニューヨークフィルハーモニックが演奏した

交響曲第9番『新世界より』

このLPのB面がガーシュインの『ラプソディインブルー』でした。

私はもちろん母親も初めて触れるクラシック音楽♪

しかし!

LPレコードは手にしたものの、

これを聴くために再生できる「レコードプレーヤー」がありません😭

そのとき目を付けたのが、親戚のお兄ちゃんが持っていたスピーカー付きの蓄音機?でした。

当時としては持っている家は少なかったと思うのですが、

母親と一緒に頭を下げて貸してもらいに行きます。

母親が引くリヤカーに乗せて家まで運んできて、子供部屋に大事に鎮座します。

ステレオスピーカーじゃないのに、

針をLPレコードの上に置いて初めて聞く音色にとても感激したものです♪

第一楽章の冒頭、静かに始まる弦の響きが素晴らしく、心を揺さぶったことも思い出します♪

そして、第2楽章のイングリッシュホルンの奏でる切ないメロディの部分は

何度も針を下ろして聴き入りました♪

レコードといい、蓄音機といい、今思えば、母親には無理を言って困らせたんだろうなー💦

だけど、そんないきさつを聞く機会はもうなくなってしまいました。

今の母親に思い出せと言っても無理なこと・・・😭

さて、その読響の演奏会

『パリのアメリカ人』の明るく陽気なメロディに心ウキウキし、

次のピアニストの阪田知樹さんの技巧に感激も納まらないうちに

アンコール曲が演奏されます。

ドヴォルザークの『わが母の教え給いし歌』です。

阪田知樹さんのピアノ独奏には心を揺さぶられ思わず母親のことを思い出してしまい、

その感動も冷めやらないうちに、後半の『新世界から』でも、

遠い昔、母親に買ってもらったレコードのことを思い出してしまったのでした😭

今回の読響の演奏会は、いつになく、琴線に響く演奏会でした・・・😭

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