ベルリオーズの失恋体験が「幻想交響曲」をヒットさせ「恋」も成就?💛

夫のマシュウです。

札響の首席指揮者マティアス・バーメルトさんが投げかけた「お題」が、

「作曲家が作曲家に出あうとき・・・何を感じ、何を与えたのだろう?」

これに対する指揮者たちの「回答」は、いろいろひねりを入れて演奏曲目を選定!

今回の回答は「幻想」です。

マティアス・バーメルトさん自身の指揮となる今回の演奏会、

「幻想」に込めたその「ココロ」は?という思いを抱いて、

5月18日、札響の「第619回定期演奏会」を聴きに札幌コンサートホールキタラに向かいました♪

今日の中島公園

萌黄色が美しい季節になりました。

菖蒲池で貸ボートを楽しむ人も増え始めましたよ。

豊平館の白い壁に緑が映えますね!

つつじが咲く前庭からキタラを望みます。

今回のテーマは「幻想」

今年2019年はベルリオーズの没後150年!

ベルリオーズといえば最高傑作の「幻想交響曲」

1830年に発表されたこの曲は、

「ある多感な芸術家(ベルリオーズ自身)が、想いの届かない相手を殺害し、

その罪によって、死後の裁きを受ける」というストーリーを音響化した作品!

作曲者自身が解説したもので「標題音楽」と呼ばれます。

なぜ「幻想」なのか?

これは自身が「アヘン」を吸って「幻覚的・幻想的な状態」で作曲したから

ともいわれています💦

ストーリーは、実際に、学生時代のベルリオーズが、

当時の「人気女優」「恋心」を抱きますが💕彼女が無名の学生に振り向く訳がありません😢

しかし、この失恋体験をもとに「幻想交響曲」を作曲!一躍有名になったベルリオーズ!

再び、彼女にアタック!ついに結婚!

ですが、これには「落ち」があって、

間もなく夫婦仲は冷え込み「離婚」してしまったということです💦

この曲は多くの作曲家に衝撃を与え、「リスト」「交響詩」という新しいジャンルを開拓!

この「幻想」をキーワードに演奏されるのが、

まず「ドビュッシー」「小組曲」

これはピアノ連弾曲として作曲。友人のアンリ・ビュッセルによって

管弦楽曲に編曲され一躍有名に!

次が「プーランク」「2台のピアノのための協奏曲」

児玉麻里さんと児玉桃さんの「姉妹」による「ピアノデュオ」が聴きどころでしょうか♪

演奏曲目

次の3曲です。

ドビュッシー(ビュッセル編)/小組曲

4楽章からなり、それぞれに「副題」がついています。

第1楽章「小舟にて」フルートの透明な響きとハープと弦楽がきれいな曲

第2楽章「行列」何の行列のイメージかな?

第3楽章「メヌエット」中世の舞踏会のような古風な旋律が心地よく奏でられます

第4楽章「バレエ」よく聴くことのある躍動的で華やかな旋律を奏でる管弦楽が聴きどころ

各楽章は3分程度と短いですが、とてもまとまりのよい構成!

しかも、編曲者の手にかかっても、

いかにもドビュッシーらしい印象をほうふつとさせる曲です♪

プーランク/2台のピアノのための協奏曲

3楽章構成で、演奏時間は約20分。

作曲者自身が聴いた「バリ島音楽」が、冒頭の力強いリズムに表現されているといわれています。

プーランクは、弦楽器の「数の指定」や、楽器の「配置」も厳格に指定!

独奏ピアノも、2台向かい合わせに配置!ふたを除去することも指定されています

第1楽章 いきなり2台のピアノの力強いタッチの演奏が始まります。

第2楽章 ラルゲットという緩やかな楽章。2台のピアノが語り合うように、

寄り添うように音を絡み合わせ、なんとも幻想的な世界!

第3楽章 アレグロ・モルトの軽快でもあり一種コミカルなリズムをピアノが刻みます♪

ベルリオーズ/幻想交響曲

5楽章で構成!演奏時間も約55分以上もある大曲!

各楽章には標題が付けられ、作曲者による解説が加えられています。

第1楽章「夢、情熱」すべてはアヘンによる服毒自殺が遂げられず、

生死をさまよう中で見た幻想!主人公の彼が彼女を想う情熱の発露を表現!

第2楽章「舞踏会」華やかな舞踏会の中で、主人公は再び彼女に巡り合います。

第3楽章「野の風景」ある夏の夕べの田園地帯で、のどかさに浸る主人公の前に彼女が現れるも、彼女に捨てられたらという不安、孤独を抱きます。

第4楽章「断頭台への行進」主人公は夢の中で愛していた彼女を殺してしまい、

死刑を宣告!断頭台へと引き立てられていくのです。

第5楽章「魔女の夜宴の夢」主人公は自分の葬儀のために集まる魔女の饗宴に中にいます。

そこに彼女も加わります。

全ては「夢の中」「幻想の世界」のおどろおどろしい感じの表現が迫ってきて、終焉!

演奏会ではよく取り上げられる「名曲の一つ」です♪

演奏会を聴いて

今回取り上げられた「3人の作曲家」はそれぞれ違う時代に生まれ、

その時代背景の下で作曲された「3つのタイプの違う曲」が演奏されました。

幻想交響曲は1830年作曲、小組曲は1907年作曲、ピアノ協奏曲は1932年の作曲と100年の時をまたいだ構成!

各時代の個性ある音楽を堪能できました♪

マティアス・バーメルトさんの指揮が、3人の感性の違いをうまく引き出していたように思います。

プーランクの協奏曲は初めて聴きましたが、現代音楽そのもの!

力強いタッチと超越技巧も求められる、

独奏ピアノのお二人の息の合った演奏はさすが「姉妹」の息の合わせよう!

第2楽章は心にしみました!

アンコールはフォーレの組曲「ドリー」から子守歌を披露して下さいました。

児玉姉妹の連弾という贅沢なアンコール!

ベルリオーズの「幻想交響曲」は、ホールいっぱいに迫力のある響きと

繊細な弦のコントラストが、劇的交響曲らしさをきわだたせていました!

感動のひとときを過ごすことができて大満足です(^^)

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