認知症の父・グループホームの「規則」が悩ましい

妻のアンです。

父がグループホームに入所する際、様々な「規則」について、詳しい説明を受けました。

グループホームの規則

「現金」「刃物類」は「持ち込み禁止」です。

当然ですよね💦

「つめきり」「ハサミ」、さらに「針」もいけませんでした。

この「刃物などの持ち込み禁止」が、のちのち、父を悩ませることになろうとは

思ってもいなかったのです・・・(>_<)

父の趣味は危険・・・

不器用な娘の私と大違いで(笑)、父は「木工細工」や「裁縫」が好きな

手先の器用な人でした。

自宅で生活している時も、廃材や、剪定した庭の木の枝などを使って、

大小、いろいろなモノを作っていました。

本人いわく「マスコット」?と称しては、可愛らしい「小物」を

知人に差し上げては、自己満足?していたようです(^^)

規則と趣味

その趣味を楽しむためには、当然、のこぎりや、ノミ、カンナ、彫刻刀などの道具が必要になります。

端切れ布で「袋」を縫ったり、使い古しのタオルで「ぞうきん作り」などもしていましたので、針やハサミも必要になりますね。

しかし、グループホーム入所と同時に、これらの趣味が出来ない状況となりました(>_<)

規則との折り合いは?

まもなくして「欲求不満」の様子が見え隠れするようになりました💦

「イライラ」して、職員さんにあたったりして、表情もどんどん悪くなっていきます😢

これはいけない!と思い、みんなで父が「何か楽しめること」を考えました。

あれやこれやと、頭をひねり、職員さんの提案で

「食事の下ごしらえの手伝い」を父にお願いしたところ、快諾したとの事!

★ジャガイモや人参など野菜の皮をピーラーでむく

(ピーラーだと大丈夫だろうということで)

★キノコを割く(エノキやシメジなど)

★行事の時に、蕎麦打ちをする

★もやしのひげ根とり等々・・・父に「役割」を与えていただきました。

「〇〇さん、皮むき、上手ですね~」とか

「〇〇さんに手伝ってもらったから、今日のおかずは特においしい」とか・・・

職員さんたちが、父を褒めてくれるのです(^^)

喜ぶ父!

そうですよね!

自分が何かの役に立っているんだと思うと、嬉しいですもの!

ましてや、褒められるなんて・・・気分も良くなるというものです!

しかし!!

長続きはしませんでしたね(>_<)

そこでまた、みんなで頭をひねります!

散歩は、もちろんのこと・・・

父の好きだった「クロスワードパズル」をしたり、「絵」を描く、更には「お習字」など

私の目には、楽しそうに?映る父の姿でした。

自室でテレビを観たり、CDラジカセで音楽を聴いて楽しむこともあったのですが

まもなく、自分で操作が出来なくなりました。

そうそう、俳句も作っていました。

「上手ですね!素晴らしいですね!」と周りの方が褒めて下さるので、

父も調子に乗り(笑)「これからは俳句も作る!」と意気揚々でした。

私も嬉しくて、地元新聞社に父の俳句を、いくつか投稿したりしていました。

どっかーーん!不満爆発!

けれど!!

父のやりたいことは、やはり、刃物や、大工道具を使った木工細工でした。

・なぜ、やらせてくれないの?

・なぜ、道具を持ち込んだらいけないの?

・ちゃんと、ここの費用だって払っているじゃないかと・・・言い出します😢

そして、ついに、その「欲求不満」を、職員さんと、私にぶつけるようになって、

「こんな所にはいられない!すぐに退去の手続きをしてくれ!」と

言葉を荒げる日々が多くなっていくのでした(>_<)

何か解決策は?

正直、私は、面会に行くのがイヤになり・・・というよりも、

父にどのように接したらいいのか、分からなくなりました😭

父の気持ちをどこに向けたら解決??するのでしょうか??😭

そんなある日、地区の集会所に「木彫りサークル」があることを知り、早速、訪問!

もちろん、父が認知症であることもお話しました。

週に一度、2時間ほどの活動で、各自、好きなモノを作るらしいのです。

私がずっと付き添うカタチなら検討しましょう。。。とお返事をいただきました。

しかし、係の方が「お父さんが、突然、刃物をふりかざしたり。。。

そんなこともないとは言えませんよね」と不安げにお話されたのでこれは無理だと判断!

木彫りサークルの件は、消滅となりました。

父自身も、ケガをする危険がありますし、

何よりも、ひと様を巻き込んでしまっては大変です💦💦

後日、父の部屋で、一緒におやつを食べていると、

お隣りから「大正琴」の音色が聴こえてきました♪

防音壁なので、かすかな音色ですが・・・

「お父さん、おとなりの○○さん、大正琴を弾くんだね」と言うと

「そうなんだよ。ハーモニカも吹くんだよ」とのこと・・・

そうか~・・・父もこんな趣味を持っていたらよかったのに~と想う私・・・(笑)💦

父が喜びそうなこと・・・何か、ないだろうか?とこの先も悩み続けます。

ついに、お金の要求も!😭

そして!!

「お金」のことも言い始め「300万円、持ってきてくれ」が口癖?となりました(@_@)

なぜに300万円??

その要求を言い出した時に、その場をどうやって乗り切るか??

毎回、私は、汗だく?になりました😭

職員さんも、作戦?を練って下さいますが、父は言い出すと止まりません。

「お父さん、お金を持って来てはいけない規則なんだよ。分かるよね?」

「何か欲しいモノがあったら、私が買って来るから・・・」

やさしく説得しますが、聞き入れてもらえませんでしたね😭

父との戦いは続く?

それは、長いような?短いような?5年ほどで終わりました。

その間、私は、父の要求に対して、何とか上手く、その場を切り抜けようとして

数え切れないほどの「うそ」をつきました。悪い娘です😭😭

本当に申し訳なく思います😭😭

けれど、もう無理難題を言うことも、ほとんどなくなりました。

それは、父の病状が進んだことを意味します。

「自宅に居れば、自分の好きなことが出来る」

「ここに居ても、何も出来ない」

これは、父がよくこぼしていた言葉です。

けれど。。。

人は「決まりごと」のある中で、生きていかなければならないのです。

ごめんね。。。お父さん。。。

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コメント

  1. ito より:

    アンさん、こんにちは。
    私の場合、父は西方の彼方へ10年前に旅立ちましたが、92歳の母は、自身に不都合な事
    は分からない振りをしますがボケもせず、兄夫婦と暮らしており、「介護」そのものを
    体験したことが無く、アンさんのご苦労に心痛するばかりです。アンさんについての
    私の勝手な印象は、「物事を後ろ向きに捉えない、前向き!」です。私のお伝えしたい
    こと、分かって頂けますか?

    • ともに白髪の生えるまで より:

      itoさん、こんにちは!
      あたたかいコメントをありがとうございます(^^)
      お母さんがお元気で生活されていること・・・何より嬉しく思います♪
      父のことは、今でこそ、笑ってお話できる事も多いですが、一番大変な時は、いつまでこんな状況が続くのだろう?と
      落ち込んだものです。これが自分の親なのだろうか?と・・・たくさん泣きました。
      「物事を後ろ向きに捉えない、前向き!」ですか・・・うふふ(^^)嬉しいです!!
      でも、私、落ち込む時はどこまでも落ち込むタイプなんですよ(^^)/
      あ!だけど、割とすぐに立ち直るんです(笑)おバカだから忘れちゃうのかも(^^)/